2020/02/09

2020年1月に観た映画。

せっかく仲間に入れてもらったからいい加減書くね。

1月に観た映画合計51本。
『ベン・スティラー 人生は最悪だ!』
『アメリカの影』〇〇
『暗黒街の顔役 十一人のギャング』
『監獄人別帳』
『殺し屋人別帳』〇
『お遊さま』
『西鶴一代女』
『明治大正昭和 猟奇女犯罪史』
『濡れた荒野を走れ』〇
『生まれながらの悪女』
『不審者』
『静かについて来い』
『クレイマー、クレイマー』〇
『愛に濡れたわたし』〇
『女王蜂と大学の竜』
『続・決着』
『薔薇の標的』〇〇
『人情紙風船』
『八州遊侠伝 男の盃』
『眠りの館』
『夏時間の庭』〇
『無頼平野』
『網走番外地 望郷篇』
『登り竜 鉄火肌』
『団鬼六 花嫁人形』〇〇
『セクシー地帯』
『薔薇の葬列』
『修羅』〇
『密猟妻 奥のうずき』〇〇
『音楽』
『ワイルドツアー』〇
『ニワトリはハダシだ』〇
『喜劇 女は度胸』
『現代人』〇
『足にさわった女』
『顔』
『スケバンマフィア 肉刑』〇
『戦争と平和』
『阿賀に生きる』〇〇
『やさぐれ姐御伝 総括リンチ』
『血の婚礼』
『如何なる星の下に』〇
『破戒』
『恋人』〇
『本当に僕じゃない!』
『エクスプローディング・ガール』〇
『彼らは生きていた』〇
『遙かなる男』
『拳銃無宿 脱獄のブルース』
『ねじ式映画 私は女優?』〇
『肉屋』〇

ラピュタ阿佐ヶ谷の石井輝男特集とシネマヴェーラ渋谷の池部良特集には結構通った。去年の11月末から2か月間続いた石井輝男特集で浴びるように石井輝男の映画を観たが、後半戦になるともうなにが面白くて観に行ってるのかよくわからなくなっていた。それでも、"観たことのない昔の映画を出来るだけスクリーンで観ること"がすっかり習慣になってしまっている僕は、「たいして面白くないんだろうな」と思った映画でも、なるべく映画館で観たいのだ。観た結果、退屈はしないけどそんなに面白くもない。やっぱり。やっぱり!そして観たそばから忘れていく。「ああ、他に観るべき映画があったのではないか。ああ、一人で映画なんか観るより友達と遊んだほうが絶対に楽しいのに。」帰り道にしょっちゅうそんなことを考える。国立映画アーカイブの主任研究員でいらっしゃる岡田秀則さんの『映画という《物体X》 フィルム・アーカイブの眼で見た映画』をこのあいだ吉祥寺バサラブックスで買ったので最近持ち歩いて読んでいるのだけど、これがべらぼうに面白い。第一章で「すべての映画は平等である」と高らかに宣言がなされている。それはあくまでもフィルム・アーキビストの視点ではあるのだが、ちょうど面白くない映画を観た帰り道にこの本をめくると、田中小実昌の「面白くない映画を観ることで人間は深みを増す」という文言が引用されていて、僕は少し救われた気持ちになったのだった。いや僕に全然深みはないのだけれども、それにつけても田中小実昌の映画エッセイは面白い。弁当を携えてバスに乗り入替無し3本立てを観に向かう映画観客としてのコミさん、東映のポルノにちゃっかりチョイ役で出演する俳優としてのコミさんには、いつも感嘆させられるのだった。肝心の小説は読んだことがない。僕は良くない読者です。
映画館だけでは飽き足らず、U-NEXTにしっかり加入した。家で映画を観る習慣がほとんどなかったが、最近は寝る前だとか無駄に早起きした朝だとかにU-NEXTを活用している。1月に観た作品で言えば、『団鬼六 花嫁人形』『密猟妻 奥のうずき』は格別に素晴らしかった。どちらも日活ロマンポルノで、映画ライターである真魚八重子さんの新刊『血とエロスはいとこ同士』で取り上げられていた作品。ことあるごとに参照していた真魚さんのブログ「アヌトパンナ・アニルッダ」(今現在非公開なのが悲しい)をまとめた本で、映画ガイドとしてこれほと頼りがいのあるものはない。森崎東『喜劇 特出しヒモ天国』についてのエントリーなどは何度も読み返した覚えがある。先月は、いつもガラ空きでおなじみの北千住のシネマブルースタジオで森崎東特集が組まれていて、比較的最近の『ニワトリはハダシだ』を観た。これも素晴らしかった。黒木和雄のすばらしいすばらしい劇映画『竜馬暗殺』の中川梨絵、原田芳雄、石橋蓮司がまたスクリーンで共演していて、それだけで感動だった。現実社会の問題と対峙しつつも、森崎東はいつだってイデオロギーを超えていく。
2月はラピュタ阿佐ヶ谷で新たに始まった「映画の中の子供」特集、シネマヴェーラ渋谷の新藤兼人特集、国立映画アーカイブの「戦後日本ドキュメンタリー映画再考」など、面白そうな企画が多すぎて忙しい。名画座かんぺとにらめっこしながらウンウンと悩んでいる。バイト先(古書店)の店長が海外旅行に行くのでシフトは変則的だし余計に悩ましい。関係ないけど店番暇なのでみんな遊びに来てください。
友川カズキのドキュメンタリーが公開中だ。再来週あたり観に行く。僕もいくつになっても遊びたい。んじゃ寝るわ!