『何食わぬ顔』(濱口竜介)
『青年の海 四人の通信教育生たち』(小川紳介)
『あるマラソンランナーの記録』(黒木和雄)★★
『ある機関助士』(土本典昭)
『留学生チュアスイリン』(土本典昭)★★
『関東幹部会』(澤田幸弘)★
『サン・ラーのスペース・イズ・ザ・プレイス』(ジョン・コニー)★
『圧殺の森 高崎経済大学闘争の記録』(小川紳介)★
『関東破門状』(小澤啓一)★
『水俣の子は生きている』(土本典昭)
『水俣 患者さんとその世界』(土本典昭)★★★
『不知火海』(土本典昭)★★★
『全身小説家』(原一男)★
『地平線がぎらぎらっ』(土居通芳)★
『青年の海 四人の通信教育生たち』(小川紳介)
『あるマラソンランナーの記録』(黒木和雄)★★
『ある機関助士』(土本典昭)
『留学生チュアスイリン』(土本典昭)★★
『関東幹部会』(澤田幸弘)★
『サン・ラーのスペース・イズ・ザ・プレイス』(ジョン・コニー)★
『圧殺の森 高崎経済大学闘争の記録』(小川紳介)★
『関東破門状』(小澤啓一)★
『水俣の子は生きている』(土本典昭)
『水俣 患者さんとその世界』(土本典昭)★★★
『不知火海』(土本典昭)★★★
『全身小説家』(原一男)★
『地平線がぎらぎらっ』(土居通芳)★
14作品でした。先月から11時~20時の週5労働になり、せっかく渋谷に勤めているのに営業時間短縮もあってレイトショーやラスト1本は観に行けず。実働8時間休憩1時間で拘束時間は計9時間、通勤は電車で片道1時間。普通に働くと自由な時間は普通にがっつり減るのだと知る。オンラインの勤怠管理、日毎に課されるノルマ、毎日Slackで周知される個人の業務成果。システマチックで色々とアホくさいことは多いが、仕事自体は単純作業で特に苦は無い。黙って手を動かし続けていればいつの間にか退勤時間になっている。どんなアホでもやれと言われたらとりあえずはやれる仕事である。当時の部長(僕が入社して1週間で異動になった)と面接をしたときには「単に販売するだけではなくキュレーションに力を入れていきたい」という会社の方針の下、僕の音楽知識や情報発信に期待する素振りを見せていたので、味も素っ気もない単純作業には当然気乗りしないが、初めはこんなもんだろう。そのうちに部署の異動もあるかもしれない。正確さと効率を同時に求められる作業には僕は向いていないということを上司には早く見抜いてもらおう。前の古書店アルバイトでさえ、動作のスピード感のなさ(プラス元気の無さ)については最後まで店長や夫人から指摘されていたのだ。誰だって慣れれば効率がグンと向上するなんて思わないでほしい。とはいえ、他に何が向いているということもないのも事実であって、学歴も社会経験もろくに積まずにこの歳まで生きてきてしまったツケはこれから数十年払い続けなければならないのだし、僕はもう現状以上は望まない。しんどくなければよい。余生なので。ただ、座りっぱなしだったりレコードの詰まった段ボールを運んだりするからか、最近は寝ても覚めても腰や背中が痛い。そのうちぎっくり腰かなんかやるのではないかと不安だ。今まで整体だのマッサージだの通っている人間のことが理解できなかったが、僕もそのうち入用になるのではなかろうか。そのときは良いところ紹介してください。職場で扱うのは中古盤屋で見かけても目にくれないような僕にとってはどうでもいいレコードがほとんどだ。ビートルズとかハードロックとかもうマジでtoo muchである。Half Japaneseの大名曲であり僕の生涯のベストソングのひとつでもある"No More Beatle Mania"が日々脳内で再生されている。"Once Is Enough!!!!"、叫びたくなるフレーズだ。てか"enough"って単語好き。ポストパンクレジェンドWireの"Once Is Enough"、Riot Grrrlの代表Sleater-Kinneyの"It's Enough"、90sインディーの中でも特に偏愛しているSilkwormの"Enough Is Enough"、Touch And Goレーベルの忘れ難いバンドSeamの"Two Is Enough"、Superchunkの説明不要なアンセム"Hyper Enough"、以上パッと思いついたenoughな名曲。話を戻しますと、えー、戻れなくなりました。映画の話しよう。先月は土本典昭の映画に大変感銘を受けた。YouTubeで公式に観られる『留学生チュアスイリン』も全市民に観ていただきたい傑作ドキュメンタリーだったが、やはり水俣の映画『水俣病 患者さんとその世界』『不知火海』だ。映画を観たあとにも、監督の著書『映画は生きものの仕事である』『逆境のなかの記録』、石牟礼道子『苦海浄土』、『不知火海』にも出演していた原田正純医師の『水俣病』を読んで感じ入ること多し。今年の5月1日で水俣病の公式発見から65年。ジョニー・デップが写真家ユージン・スミスを演じる『MINAMATA』の公開も控えているし、ホント僕が言うことでもないんだが、これを機に水俣のことを知る人が増えるのを願う。更に今年公開予定の原一男の新作『水俣曼荼羅』は6時間にも及ぶ水俣病に関するドキュメンタリーであるという。長すぎ。土本監督の『医学としての水俣病』みたいにせめて3部作とかにすればいいのに。先月観たドキュメンタリーでいえば黒木和雄『あるマラソンランナーの記録』(NPO団体が公式に配信している)はハッキリと狂気の映画だと思った。魑魅魍魎ひしめく新東宝が生んだ傑作のひとつとされる『地平線がぎらぎらっ』もよかった。何はともあれタイトルが素晴らしいだろう。そしてオレはジェリー藤尾が好きなんだ。と、まあ、先月はそんなところ。6月のレコード・ストア・デイに、僕の生涯ベスト映画であるハル・アシュビー『ハロルドとモード』のサントラ盤が発売されるという。1972年のキャット・スティーヴンス来日に際して日本オンリーで企画されたサントラ盤は持っているのだが、ルース・ゴードン演じるモードの在り様を象徴する"If You Want To Sing Out, Sing Out"が未収録なのが不満だった。僕と同じように『ハロルドとモード』が大好きだという映画監督のキャメロン・クロウが自ら企画して2007年に発売した2500枚限定のサントラ盤はプレミア化していて手が出ない。なので今回のRSD盤は努力して確実にゲットしたいところだ。そんな決意とエリオット・スミスによる『ハロルドとモード』挿入曲"Trouble"のカバーで今回は終わります。さようなら。