2021/12/29

2021.10.26-12.28

 みた映画


『Good bye,Eric!』(2018)
『霞姫霊異記』(2020)
『はじまりのうた』(2013)
『イン・パブリック』(2001)
『Hotel Magnezit』(1978)
『骨までしゃぶる』(1966)
『ラバー・ジョニー』(2005)
『海辺のポーリーヌ』(1983)
『紹介、またはシャルロットとステーキ』(1961)
『美しき結婚』(1981)
『記憶の戦争』(2018)
『散歩する霊柩車』(1964)
『パリのランデブー』(1994)
『誰がキャプテン・アレックスを殺したか』(2010)
『the Future』(2011)
『さよなら、私のロンリー』(2020)
『レネットとミラベル / 四つの冒険』(1986)
『にがい米』(1948)
『さらば愛しき大地』(1982)
『スウィート・シング』(2020)
『Notes On The Circus』(1966)
『The Side of Paradise』(1999)
『E-clip-se』(1999)
『しあわせ』(1998)
『遠い一本の道』(1977)
『断絶』(1971)
『のぼる小寺さん』(2020)
『ニルマル・プルジャ:不可能を可能にした登山家』(2021)
『街の上で』(2019)
『ひとつの歌』(2011)
『Rocks / ロックス』(2019)
『ポルト』(2016)
『セリ・ノワール』(1979)
『雪の断章 情熱』(1985)
『落穂拾い』(2000)
『ドント・ルック・アップ』(2021)
『ガタカ』(1997)



高階匠さんの作品がどれも面白くてよかった。ずっとみたかった『にがい米』や『断絶』などもgood
あとは父親と見に行った『スウィート・シング』がグッときた。終わったあと二人で飲んでてそしたらそれを見て超よかったよねって言ってたともだちとたまたま遭遇して三人でだらだら話したのもよかった。良いと思ったところそれぞれを共有できるのってうれしい。なんとなく記録的に日記をつけていてそれをそのままアップすることにした。


12/28
起きて会社の近くの整骨院にいく。鍼すごいわ〜そのまま出社して打ち合わせ。なんかたのしいな、やめなくてよかったかも。疲れてて久しぶりに真っ直ぐ帰って『プライベート・ライフ』をみるが途中で寝てしまった。

12/27
眠い。眠すぎる。珍しく午前中から出社して蔦屋におつかいに。そのまま帰っても人前でご飯を食べるのは嫌だからトップでトーストを食べて戻る。首が痛すぎて整骨院にいって明日も来いと言われてうぐぐ。いいことありすぎたからバチ当たったな〜蔦屋に借りてたものを返して軽く飲んで彼の元に帰る。夏から秋まで頭が完全におかしくなってたけど、それを仕事がただ忙しかったから(まあ尋常じゃないくらいには働いた)とだけ彼には話していた、けど何の気なしにどうしてあんなことになったかをさらっと話したらなんだかうれしいことを言われた。私も相手に対してそうでありたい、なにかを素直に語ることの難しさだったり恥ずかしさよ

12/26
昼前には起きてクリスマスにつくったケーキを食べる。天気が良かったからちょっとだけ散歩。公園にあるアスレチックでふざけて遊んでたら盛大に転んで騒ぎながら帰る日曜日の昼間に録画していたタモリ倶楽部を見るのが日課になってきた。平日はあんまりテレビみないけど休みの日に見たい番組みてその合間にCM見てへえ〜こんなのあるんだ〜って繁々と見るのも良いなって最近思う。転んだからか寝違えたからか首が痛すぎる。

12/25
『ドント・ルック・アップ』をNetflixで。案外面白かったし、ケイト・ブランシェットの役がとっても良かった。地球滅亡目前にして「それより私は酔っ払ってひとの悪口を言う」と泥酔状態で吐き捨て酒をボトルのまま飲み込むブランシェットに拍手〜。ティモシーの微妙なオタ具合も良かった。年末年始になると何故か普段全くみないSFを見たくなる。と思ってそのままいままで見たことなかった『ガタカ』も見ちゃう。母の荷物を受け渡し吉祥寺に行って父と飲む。酔っ払ってもっと家族は私にやさしくするべきと騒ぎそのままともだちの店の周年お祝いへ。コーラ飲んで彼と帰る。

12/24
出社しなくてもいいなと思ってたけどなんだかんだやることあって出社。途中で先輩とコーヒーを飲む。うれしいニュースがあってなんかがんばろお〜の気持ち。夕方までに終わらせるはずが思ったより長引いた。でもひとりで進められるのはやっぱり楽。家の近くの年寄りしかいない大衆居酒屋で飲んで、帰って彼と二人でケーキをつくる。これからなんかお互いにいいことがあったときにケーキをつくることにした。どこまで上達するかたのしみ

12/23

昼前に起きて電車で1時間半、ロケハン。規模が小さい案件だとひとと直で話せてたのしいしやりがいがある。ぬくぬく電車に揺られて街に帰っていつもの喫茶店で少しだけ作業をする。いつからか木曜日にブラジル料理を食べることがやや習慣になりその店に行く。軽く飲んでともだちの店で一杯だけ飲んで彼の家でバカリズムの女子と女子を見てひたすら真似をしまくる。眠すぎてさっさと帰宅。言葉をぶっ飛ばしすぎる。

12/22
水曜日にリモートにするとちょうどいい気がする。家事をしながら仕事を終わらせて一年ぶりのともだちと飲む。彼と合流してなんかたくさん話したが、酔っ払ってて覚えてない。

12/21
一瞬会社に寄ってロケハン。知り合いと仕事だからなんだかふわふわする。お腹すいて渋谷でカレー(なのか?)食べて2杯だけ飲んで帰る。何にも囚われていないと誰かを気にして遅くまで飲んだり示し合わせたりそういう無駄なことがなく帰りたい時に帰れて気持ちが楽。連絡をいくつかして平和な気持ちのまま寝る。そういえば昼間に電車乗ってる間にレネの短編ドキュみたら乗り過ごした。ねこの爪きった、えらーい

12/20
会社行って打ち合わせしてたらうなぎが出てきた。嫌いなんだけど昔よりは食べれるようになってきた。なんか苦手なんだよな〜フォルムが。。仕事をちまちま進めてたけど、土曜に銭湯行って一瞬良くなったかと思った肩こりが酷く仕事を抜け出して整骨院にかけこむ。たった20分で大分元気になれるんだからもっと行こうと思ったりなど、エスプレッソ飲んで仕事に戻りさっさと退勤。珍味亭に寄ってコーラと豚足を頼む。ともだちの分の豚足も買って帰る。最寄りに戻ってともだちと軽く飲む。昨年末から映画の仕事が本当に少しだけ入るようになって、うれしい気持ちはずっと変わらないけどその分嫌な思いもたくさんたくさんする。どうしたら対等に仕事ができるのか、年齢を詐称するか〜相米をちょっと見て寝る。

12/19
昼前に起きて朝ごはん作ってもらう。だらだらしてロイホでパフェ食べる。映画をそんなに見なくなったけどなんだか生きていけるし見たいときに見たいものだけを見るくらいで良かったのだとようやく気づいたりした。

12/17
眠くて盛大に遅刻、ふらふら会社に向かってたら大学院の同期にばったり遭遇する。仕事を終えて行こうと思ってたところに行く前に、麗郷でご飯食べたらなんだか満足しちゃって、行って微妙な気分になるのも嫌だから断念して帰る。
会社の真裏で中高大の先輩が働いているのが最近発覚してよくランチをするようになって、今日は7時過ぎにふと思いついてコーヒーでものみます?と連絡した。でも珈琲屋はどこも閉まっていて仕方ないからセブンに行く。たとえコンビニでも仕事合間に会社以外の人と会えるのは良い気分転換になる。夕方からやってるドーナツ屋とかほしい。帰宅後にずっと観たかった『セリ・ノワール』を観たらバグりすぎてて元気になった。

12/16
出社してとりあえず30分は煙草吸ったり珈琲淹れたりしてなんもしてないな、と最近気づく。まあ最近忙しくないし昇格してから自分の分量をコントロールできてやりやすい。たのしい(?)からなんかちょっと頑張ったらマッサージの時間に間に合わず、諦めて渋谷で飲む。ともだちが来るまで蟹について調べるがピンキリすぎてよくわからない。最寄りに帰ってまた飲んで、飲みすぎたな〜とか思いつつ帰る。ともだちがやさしいって言ってたけどしをはそんなことなくて、ただともだちたちがやさしいっていつも思う。私も『セールスマン』観たかったわ~

12/15
仕事が案外スムーズに終わりおともだちと三丁目でご飯。昔は新宿より渋谷が苦手だったのにさいきんは逆になってきた。おそらく今年最後の新宿、なんだか自分はやっぱり人見知りだし思ってることを言葉にするのが苦手だけど楽しかった。また会えたらいいな〜そのまま電車に乗ってまだ少し早かったから最寄りで一杯だけ飲んで歩いて帰った。歩きながら『ポルト』が良かったと話す。


12/14
前日に(月曜日から)かなり飲んでしまったせいで全く仕事ができず。忙しくなると1日20時間くらい働くから暇なときはこれくらいゆるくて良いよとセルフ宥めをして『ロックス』と『ポルト』を観た。









2021/10/25

2021.08.15-10.25

最後更新してからみた映画

『おいしいコーヒーの真実』(2006)
『スケート・キッチン』(2018)
『ドライブ・マイ・カー』(2021)
『都会の横顔』(1953)
『あしがらさん』(2002)
『気のいい女たち』(1960)
『ブレッドウィナー / 生きのびるために』(2017)
『魚座どうし』(2020)
『壊れ始めてる、ヘイヘイヘイ』(2016)
『本のゆがみ』(2014)
『男の顔は履歴書』(1966)
『バッド・ブラック』(2016)
『アルプススタンドのはしの方』(2020)
『カツベン!』(2019)
『三島由紀夫 vs 東大全共闘 50年目の真実』(2020)
『草の響き』(2021)
『勝手にしやがれ』(1960)
『チーム★アメリカ / ワールドポリス』(2004)
『HERO』(2007)
『まともじゃないのは君も一緒』(2020)
『くれなずめ』(2021)
『シェイディー・グローヴ』(1999)
『クレアのカメラ』(2017)
『女は男の未来だ』(2004)
『自由が丘で』(2014)
『ソニはご機嫌ななめ』(2013)
『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放送されなかった時)』(2021)
『せかいのおわり』(2004)
『ヘウォンの恋愛日記』(2013)
『3人のアンヌ』(2012)
『川崎競輪』’(2016)
『それから』(2017)
『夜の浜辺でひとり』(2016)
『26世紀青年』(2006)
『光の消える前に』(2020)
『Shut Up and Play the Hits』(2012)
『武漢、わたしはここにいる』(2020)
『冷たい水』(1994)
『リストラ・マン』(1998)
『非行少女ヨーコ』(1966)
『不安と共に生きる』(2017)
『ビフォア・サンライズ 恋人までの距離』(1995)
『ビフォア・サンセット』(2004)

やや成田凌にハマったのと、韓国の酒場に行きたすぎてホン・サンスを見まくってたターンがあった。あとは2000年〜2008年くらいまでのアメリカ映画ってどうしても面白いと思う。トチ狂ってる時代よ…山形ドキュ祭は今年はオンライン!だったのでなかなか気乗りしなかったけど2本だけ。でもどちらもすごく良かったし、やっぱりドキュメンタリーが好きだな〜って思った。
ただ一本3時間などとなるとやはりオンライン(とりわけ自室で1人で)で鑑賞するのは些かキツいものがある。2年後は山形行きたいな〜

若干の強迫観念にも近いような映画を観なくちゃ!!の感情は多忙により薄らいできている。
でもだからといって嫌いになったわけでもないし、休日はなるべく1人の時間をつくって静かに映画を観るようにしていたい。結局、仕事休んでやること無くなったら多分すごい勢いで観るんだろうけど、超王道映画『ビフォア・サンライズ』を今更観てこんな素敵な映画観たらしばらくそんな観なくてもいいかもなってそんな気持ちになった。というかそんな気持ちになる映画をたくさん観たいし、映画を観るという行為なんか選択できて当たり前なんだから、何でそんなに大量に観てはあーだこーだと批判しかしないひとばかりなんだろう。基本的に人間に優しくありたい!(が怒ってばかりなので何も言えない)自分はそういう批判しかしないマシーン(もはや人だとあまり思いたくない)を見るとすごく落ち込む。だったら観なきゃいいのに。というかその時間をくださいよ〜時間がとにかく何に対しても足りていない。

そんな超王道『ビフォア・サンライズ』しかり、濱口による『ドライブ・マイ・カー』しかり、会話(対話)をしっかりとうつす映画が自分は好きなのかもしれない。いちばんは子ども映画ですが。。映画じゃなくて日常でも会話がした〜いよね〜そうだよね〜みたいなことをここ数日思ったりした。私はいつも言葉をショートカットするらしい。もっと思っていることはあるのに適当な言葉ですぐ片付けちゃう。でもそんな事細かに怒ってなんかいられないし、喋るのゆっくりだからなんかひゃひゃ〜ってなってしまう。けどそれをゆっくり聞いてくれるともだちがいてあ〜良かった〜って思ったりもする。つまんない意地悪な話より、よくわかんないけど楽しい未来の話がしたい。


どんとが生きてたらいまを何と歌うだろう。あ〜あ生まれる時代を間違えた〜っていつも思う。季節の変わり目で気怠くてずっと眠い!いやだ!散歩しよ

2021/08/15

2021.6.15-08.15

 観た映画
『リトル★ニッキー』(2000)
『激突!』(1971)
『恋人たちの予感』(1989)
『クラム』(1994)再見
『おろかもの』(2019)
『もち』(2019)
『人生タクシー』(2015)

あとは短編少し。
2ヶ月でこれしか観てないのヤバい、それくらい仕事がヤバい。
いまはこれまた仕事で富良野にきてますが、観光もしてないしはやく帰りたい。ぼくの夏休みってどこにあるんだろう。。

映画はこれしか観てないけどほとんどどれも面白かった。
疲れたときはとにかく愛おしのアダム・サンドラーを観るとちょっとは元気になるんだが、『リトル★ニッキー』は本当に素晴らしかったので観てください。。
『ヒュービーのハロウィーン』もだしこれも、スティーヴン・ブリル x アダム・サンドラーが脚本やってると面白い。ていうかアダム・サンドラーが脚本やってると面白いの〜
で、今更スピルバーグ『激突!』を観て、私はペーパードライバーなんだけど本当に運転はよそうと思いました。怖すぎる!その日の夢は車で事故って死ぬ夢だった、単純がすぎる。
『恋人たちの予感』はやや若ハゲビリー・クリスタルが「1日の最後におしゃべりしたいのは君だ」ってメグ・ライアンに愛の告白〜!をするんだけど本当にそれ〜!!とこころのギャルが大騒ぎしました。愛って・・・
『おろかもの』はかなり面白かったです。マジでもっと撮ってほしいなあ〜って感じでついでに公開されてからずっと観たかったのに見逃してしまった『もち』が配信スタートしたのでそちらも。すごい良かった(この監督の蒼井優の出ている『たまたま』は人生ベストに入ります)。『もち』を制作するにあたっての小松真弓監督のインタビューがどれも結構面白かった。

あとは別に面白くはないんだけど、Netflixでタイのドラマ『転校生ナノ』を観てます。主人公がめっちゃかわいい。あとはボージャックホースマンを見返して爆泣きしたり転職サイトをスクロールしまくって気づいたら寝てる。なんて最悪な日々を過ごしてるんだろう、やだな〜

ところでここまで忙しくなるちょっと前にライカート『ミークス・カットオフ』について寄稿しました。
Kelly Reichardt特集

よろみ!

早く帰りて〜以上、ふつうに寒い北の国からでした。

2021/08/12

2021年6・7月に観た映画。

6月は24作品。
『月給13,000円』(野村芳太郎)ラピュタ阿佐ヶ谷★★
『眼の壁』(大庭秀雄)ラピュタ阿佐ヶ谷
『炎の氷河』(穂積利昌)ラピュタ阿佐ヶ谷
『友情』(宮崎晃)
『カンバセーション…盗聴…』(フランシス・フォード・コッポラ)★★★
『ジュ・テーム・モワ・ノン・ブリュ』(セルジュ・ゲンスブール)ケイズシネマ★★★
『花と沼』(城定秀夫)ポレポレ東中野
『真昼の罠』(八木美津雄)ラピュタ阿佐ヶ谷
『ハイ・ティーン』(井上和男)ラピュタ阿佐ヶ谷★
『大穴』(内川清一郎)ラピュタ阿佐ヶ谷★
『糞尿譚』(野村芳太郎)ラピュタ阿佐ヶ谷★
『女を忘れろ』(舛田利雄)新文芸坐★★
『有楽町0番地』(川頭義郎)ラピュタ阿佐ヶ谷★
『涙』(川頭義郎)ラピュタ阿佐ヶ谷★★★
『ネオン警察 ジャックの刺青』(武田一成)新文芸坐★
『図々しい奴』(生駒千里)ラピュタ阿佐ヶ谷
『引越やつれ』(堀内真直)ラピュタ阿佐ヶ谷
『クレージーの花嫁と七人の仲間』(番匠義彰)ラピュタ阿佐ヶ谷
『47歳 人生のステータス』(マイク・ホワイト)★
『「廓」より無法一代』(滝沢英輔)シネマヴェーラ渋谷
『実録エロ事師たち 巡業花電車』(林功)★★★
『七人の刑事 女を探がせ』(高橋治)ラピュタ阿佐ヶ谷★
『踊りたい夜』(井上梅次)ラピュタ阿佐ヶ谷★
『はだしの花嫁』(番匠義彰)ラピュタ阿佐ヶ谷
7月は28作品。
『ちんじゃらじゃら物語(喜劇 出たとこ勝負)』(堀内真直)ラピュタ阿佐ヶ谷
『太陽を抱く女』(番匠義彰)ラピュタ阿佐ヶ谷★★
『さまざまの夜』(番匠義彰)ラピュタ阿佐ヶ谷
『渚を駆ける女』(酒井欣也)ラピュタ阿佐ヶ谷★
『馬喰一代』(木村恵吾)シネマヴェーラ渋谷
『裸体』(成沢昌茂)シネマヴェーラ渋谷★★
『ウナ・セラ・ディ東京』(番匠義彰)ラピュタ阿佐ヶ谷
『おしゃべりな真珠』(川頭義郎)ラピュタ阿佐ヶ谷★★
『アメリカン・ユートピア』(スパイク・リー)シネマ・ロサ★★
『夜のひとで』(長谷邦夫)ラピュタ阿佐ヶ谷
『とめてくれるなおっ母さん』(田向正健)ラピュタ阿佐ヶ谷
『喜劇 逆転旅行』(瀬川昌治)ラピュタ阿佐ヶ谷
『ミニミニ突撃隊』(梅津明治郎)ラピュタ阿佐ヶ谷
『憧憬』(斎藤耕一)ラピュタ阿佐ヶ谷
『スチャラカ社員』(前田陽一)★
『大阪の女』(衣笠貞之助)国立映画アーカイブ
『濡れ髪牡丹』(田中徳三)国立映画アーカイブ★★
『かも』(関川秀雄)シネマヴェーラ渋谷★
『東京クルド』(日向史有)シアターイメージフォーラム★
『母と娘』(川頭義郎)シネマヴェーラ渋谷★
『おんなの渦と淵と流れ』(中平康)シネマヴェーラ渋谷★
『喜劇 日本列島震度0』(前田陽一)ラピュタ阿佐ヶ谷
『東京の暴れん坊』(斎藤武市)★
『月夜の傘』(久松静児)★★
『東京ド真ン中』(野村芳太郎)ラピュタ阿佐ヶ谷
『追いつめる』(舛田利雄)ラピュタ阿佐ヶ谷★
『明治一代女』(伊藤大輔)シネマヴェーラ渋谷★★
『おふくろ』(久松静児)★

ラピュタ阿佐ヶ谷の松竹映画特集をきっかけに名画座通いがぶり返してきました。自分で決めた映画スケジュールに縛られる休日。3本続けてチケット買って、1本目でちょっと寝ちゃって、次の上映までの合間にコンビニで眠気覚ましにチョコ買って食って、それでも2本目も寝ちゃって、結局3本目も寝ちゃって、「あーだいぶ寝ちゃったけどまあそれなりに楽しかったしアタシゃ満足だよ」ってかんじで真っ直ぐ帰ったりしています。だいたい映画館に行くってのは暇つぶしで、それ以外することないんだから実際。なので寝ちゃったってオーケーだし、面白くなくても全然オーケーなのである。特に今回の松竹レアもの特集なんかは「そんなに面白くなさそうだな~」って何も期待せずに観に行っているのだから。それで野村芳太郎『月給13,000円』や番匠義彰『太陽を抱く女』みたいな映画に遭遇すると、名画座に通うことの喜びを感じますよ。とはいえ悔いが残っているのは川頭義郎『子供の眼』が満席で観れなかったこと。唯一の行き場から締め出されて外界に放り出されて呆然と立ち尽くすあの感覚を久しぶりに味わいました。阿佐ヶ谷駅改札前の端っこのほうに座り込んでこれから観られそうな映画を必死に調べて、なんとか新宿でリバイバル公開されていたゲンスブール『ジュ・テーム・モワ・ノン・ブリュ』にありついて、それがまた感動的に不毛でゴミゴミした下賤な恋愛劇で救われました。映画の前に時間つぶしに入った珈琲タイムス(喫煙目的店)の店員がみんな頭悪そうな若い男で怖かったのも思い出す。それも先々月の話ですが。3月から始まった仕事(バイト)はもう5ヶ月経って、業務は"無"ってかんじだし、若い同僚らとは打ち解けていないし今後とも打ち解けられないのだが、週5日40時間無遅刻無欠勤で働けている自分には感心しています。自社通販サイトのレコード紹介コメントのライティングを許されたのがちょっと嬉しい。にしても年齢が近そうな人たちが喫煙スペースで「今後のキャリア考えるとさ~」みたいな話をしているのを聞くと、僕にはそれが理解不能すぎて頭のヒューズが飛びます。そんなことはまるで考えたことがない。ヒューズで思い出したけど、ドラえもんの道具に"いやなことヒューズ"ってのがあって、それを首の後ろにつけておくと、耐え難い精神的or肉体的ストレスを感じたときにヒューズが飛んで15分間気絶できるという優れものなんですが、周囲の人をドン引かせたり、「あいつすぐ気絶するから」と腫れ物みたいに扱われるようになったりするだけで、根本的問題解決に全然ならない、その場しのぎの、繊細マウントかますためだけの道具で好きですね。で、前回の更新以降から今日までに読んだ本ですが、

ケネス・アンガー『ハリウッド・バビロン I』訳 明石三世
ケネス・アンガー『ハリウッド・バビロン II』訳 明石三世
S・S・プロウアー『カリガリ博士の子どもたち 恐怖映画の世界』訳 福間健二,藤井寛
デヴィッド・J・スカル『モンスター・ショー 怪奇映画の文化史』訳 仁賀克雄
クレメンス・J・ゼッツ『インディゴ』訳 犬飼綾乃
ウィリアム・T・ヴォルマン『ハッピー・ガールズ、バッド・ガールズ』訳 迫光
河野多恵子『思いがけない旅』(短編集)
河野多恵子『不意の声』
平野雄吾『ルポ入管 絶望の外国人収容施設』
姫田眞左久『パン棒人生』
山本貴光『マルジナリアでつかまえて』
山根貞男『映画狩り』
ロジェ・グルニエ『シネロマン』訳 塩瀬宏
白鳥あかね『スクリプターはストリッパーではありません』
ウィリアム・T・ヴォルマン『蝶の物語たち』訳 山形浩生
ミシェル・クルーズ・ゴンザレス『スピットボーイのルール 人種・階級・女性のパンク』訳 鈴木智士

『カリガリ博士の~』と『モンスター・ショー』はどちらも分厚くて読み応えのある恐怖映画批評で、現在シネマヴェーラ渋谷で開催中の"恐ろしい映画"特集の副読本として最適です。2冊ともずいぶん前に買って放置していたんですが、読むべき時期というのはやって来るものなのだなあ。今日一気に読み終えた『スピットボーイのルール』は、90年代に活躍したバンドSpitboyのドラマーが書いた回顧録で、白人男性中心のハードコアパンクシーンの中で「私たちはライオット・ガールじゃない」と言い放ったフェミニスト・パンク・バンドの一員として、更にそんなSpitboyというバンドの中でも唯一の有色人種としての葛藤や怒りや、もちろん素晴らしい思い出も、思考の跡が生々しく仔細に綴られていてすごく良い本でした。短くて読みやすいし。ツアー移動中のバンの中でリズ・フェア『Exile in Guyville』を100回以上聴いたとかそんな話もイイ。ちょうどSpitboyの全曲集が今年の6月にリリースされているので、いいタイミングで邦訳が出ました。SpitboyのかっこいいロゴT買って今年の夏はよく着ています。相変わらず本は買ったときが一番読みたいときで、積読の山が高くなる一方なんですが、読書会ってやったことないのでやってみたいですね。よろしくお願いします。

音楽の上半期ベストを一応アーカイブしておきます。
・ALBUM
AKAI SOLO & Navy Blue - "True Sky" YouTube
amani - "A CONSTANT CONDENSATION" YouTube
Arab Strap - "As Days Get Dark" YouTube
Armand Hammer & The Alchemist - "Haram" YouTube
The Armed - "ULTRAPOP" YouTube
B L A C K I E...All Caps, With Spaces - "Face The Darkness II" Bandcamp
Black Dresses - "Forever In Your Heart" Bandcamp
The Body - "I've Seen All I Need To See" YouTube
Cameron Knowler, Eli Winter - "Anticipation" YouTube
Chris Corsano & Bill Orcutt - "Made Out Of Sound" Bandcamp
Colleen - "The Tunnel And The Clearing" YouTube
Daniel Aged - "You Are Protected By Silent Love" Bandcamp
Dark Time Sunshine - "Lore" YouTube
Dean Blunt - "Black Metal 2" Bandcamp
Divide and Dissolve - "Gas Lit" YouTube
Fiddlehead - "Between The Richness" YouTube
Floatie - "Voyage Out" Bandcamp
Flowertown - "Flowertown" YouTube
Hali Palombo - "Cylinder Loops" Bandcamp
Haus Mountain & Deathbomb Arc - "Arc Mountain" Bandcamp
Hoorsees - "Hoorsees" YouTube
Iceage - "Seek Shelter" YouTube
Jason Nazary - "Spring Collection" YouTube
Jill Whit - "Time Is Being" Vimeo
Loraine James - "Reflection" YouTube
Lost Girls - "Menneskekollektivet" Bandcamp
Lou Barlow - "Reason to Live" YouTube
Lukah - "When The Black Hand Touches You" YouTube
maassai - "With The Shifts" Bandcamp
Mach-Hommy - "Pray For Haiti" YouTube
Maple Glider - "To Enjoy Is The Only Things" YouTube
Matt Sweeney & Bonnie "Prince" Billy - "Superwolves" YouTube
mHz - "Earth's Shadow" Bandcamp
MIKE - "Disco!" YouTube
MJ Lenderman - "Ghost of Your Guitar Solo" YouTube
Nappy Nina & JWords - "Double Down" YouTube
Natural Information Society with Evan Parker - "descension (Out Of Our Constrictions)" YouTube
New Bums - "Last Time I Saw Grace" YouTube
Nick Cave & Warren Ellis - "Carnage" YouTube
Nick Schofield - "Glass Gallery" YouTube
Pickle Darling - "Cosmonaut" YouTube
plague skater - "plague skater II" Bandcamp
Rachika Nayar - "Our Hands Against the Dusk" YouTube
Sarah Mary Chadwick - "Me & Ennui Are Friends, Baby" YouTube
Sharkula X Mukqs - "Take Caution On The Beach" Bandcamp
Silicone Prairie - "My Life on the Silicone Prairie" YouTube
Six Organs Of Admittance - "The Veiled Sea" Bandcamp
Tindersticks - "Distractions" Bandcamp
Wurld Series - "What's Growing" YouTube
Yasmin Williams - "Urban Driftwood" YouTube

・EP/SINGLE
The Alchemist - "This Thing Of Ours" YouTube
April + VISTA - "Pit Of My Dreams" YouTube
Armlock - "Trust" YouTube
Black Button - "I Want to Be In Control" Bandcamp
blair - "Tears to Grow" YouTube
Chester Watson - "1997" YouTube
Death Is Not The End - "Death Is Not The End" Bandcamp
Enumclaw - "Jimbo Demo" YouTube
Home Is Where - "I Became Birds" Bandcamp
JPEGMAFIA - "EP2!" YouTube
Lava La Rue - "Butter-Fly" YouTube
Los Campesinos! - "Whole Damn Body" Bandcamp
Mavi - "End Of The Earth" YouTube
Militarie Gun - "All Roads Lead To The Gun" YouTube
Nap Eyes - "When I Come Around" YouTube
Princess Demeny - "New York Grief" YouTube
Sarcasm - "Creeping Life" Bandcamp
Turnstile - "Turnstile Love Connection" YouTube
Winston Hytwr - "As Per My Last Email" Bandcamp
Yaya Bey - "The Things I Can't Take With Me" YouTube

・REISSUE
Alan Vega - "Mutator" YouTube
Brainiac - "Attic Tapes"/"From Dayton Ohio" Bandcamp/Bandcamp
Evil I - "Official Bootleg" Bandcamp
Francisco Meirino - "The Process Of Significance" Bandcamp
Graham Lambkin - "Solos" Bandcamp
John Henry West - "JOHN HENRY WEST (studio sessions)" Bandcamp
Lily Konigsberg - "The Best of Lily Konigsberg Right Now" Bandcamp
Linda Smith - "Till Another Time: 1988-1996" Bandcamp
Russell Potter - "A Stone's Throw"/"Neither Here Nor There" Bandcamp/Bandcamp
Screamers - "Demo Hollywood 1977" YouTube
Special Interest - "Trust No Wave" YouTube
Spike In Vain - "Disease Is Relative"/"Death Drives A Cadillac" Bandcamp/Bandcamp
Spitboy - "Body of Work 1990-1995" Bandcamp
Swell Maps - "Mayday Signals" YouTube
Vitamin - "Recordings 1981" Bandcamp

以上。

2021/07/03

意味の伏せ字としての仮名

今日
夢で 地下の、水のある映画館に居た
暗くて映像がよく見えないので映写機の明るさを上げてほしい、と、右端に座る学生が言っていた
モノクロの粗いフィルム映像で、女の人が映っていた





名前、本当は漢字であるものを敢えてひらがな、もしくはカタカナ表記にしている作品(特にアニメーション作品)が多いことに気づいた



例えば、(憶測だけど)

『魔法少女まどか マギカ』の

鹿目まどか まどか 漢字なら 円

暁美ほむら ほむら 漢字だと 炎

なんじゃないかと、思ったのです、よ

あ!


これ以上踏み込みたいが踏み込むと未だ観ていない方にとってはネタバレになってしまうので踏み止まります 黙々

今度新作も公開されるようなので是非観てみてください




まどマギだけじゃなく、『新世紀エヴァンゲリオン』の登場人物名についても同じようなことが起こっているし(これに関しては林原めぐみ姐さんが歌っている「集結の運命」を是非聴いてほしい。それぞれの名前を探すの とても楽しかった)(これシン・エヴァ以前に作詞されてたの、すごい)



あとは『少女革命ウテナ』の

主人公、天上ウテナも ウテナ とは 萼 であり、花の最も外側にあり花が咲くために花弁を支える器官

または 台  であり、創造神や仏が座す蓮の花の台座



(『少女革命ウテナ』の登場人物名は皆、植物に関するものになっている)



全編最後まで観てから名前の漢字を考える遊び、とても楽しい







仮名 仮の名前



何故最初から漢字表記にしないのか?と考えたけど

もちろん結末の予測や漏洩を防ぐため、ということもあるだろうけど

その名前をもつ本人ですら、自分の名前の指し示す運命(さだめ)の行く先がわかっていないから というのが大きいのではないかと思った


これは作品世界に限った話ではなく、この世界を生きるわたしたちも、きっとそうなのだろう(時空や次元の境界なぞ曖昧で、今後さらに融けていくのもの)


名前の自覚

自分が「誰」であるのか

自我、意識、つまり太陽は自覚していないと使えない



だからわたしは、あらゆるものの名前が好き!

本当の名前を知りたい



名前は包括するもの、統べるもの、だから 冠する の






自戒の込められていない文などあるだろうか?

その時、他者や外の世界に向けて発した言葉や文章、感情は、本当は自分に向けられたものなのではないだろうか

それが無意識であれ、いや寧ろ無意識であればあるほど

「自分」が自分に言いたい言葉なのではないかと

そんな風に思う

2021/06/22

2021.5.17-6.14

 見た映画

『カランコエの花』(2016)
『ライブテープ』(2009)
『Tribe Called Discord : Documentary of GEZAN』(2019)
『俗物図鑑』(1982)
『不気味なものの肌に触れる』(2013)
『極東のマンション』(2003)
『螺旋銀河』(2014)
『マイノリティとセックスに関する、極私的恋愛映画』(2015)
『そんなこと考えるの馬鹿』(2019)
『散歩する植物』(2019)
『流れる』(2014)
『自転車は秋の庭』(2019)
『くじらの湯』(2019)
『何度でも忘れよう』(2019)
『オクトパスの神秘:海の賢者は語る』(2020)
『宮田バスターズ(株)』(2019)
『沈没家族』(2018)
『瓜二つ』(2015)
『何も見なくていい』(2015)
『Living Behavior 不可思議 / Wonderboy 人生の記録』(2015)
『人間機械』(2016)
『マイ・インターン』(2015)
『ペニーズ・フロム・ヘブン』(1981)
『Smiley Face』(2007)
『アンナと二階の部屋』(2010)
『うつらうつら』(2017)
『都会の放浪者』(1966)
『小カオス』(1967)
『逃げた女』(2019)
『お城が見える』(2006)
『ペイル・ブルー・ドット』
『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』(2011)
『部屋 / 形態』(1999)
『ラスト・クリスマス』(2019)
『小さな逃亡者』(1953)

この時期は本当に身体がうまく動かない。そもそも人間が365日元気なわけはなく、何となく気怠い日なんてのはいくらだってあるはず。私はほとんどそうだけど。
コロナになってからそういう何となく気怠いというのは悪になってしまった。何となくの熱があるんで〜のずる休みもできないし、そんなことをいったら周囲に不安感を与えてしまう。店によくある顔を近づけて測定する体温センサー?も、あっちの店とこっちの店で体温が全然違う。もう何を信じたらいいのかわからないし、いちいち疲弊する。梅雨も相まって本当にいろんなことにいちいち疲れる。コロナで本当に些細ないろんなことが変わってしまった。これでもなおオリンピックをやろうとしているのも、観客を入れるのも、何なら酒出しますよとか言ってんのも、その良い格好しいさが本当に気持ち悪い。
GEZAN自体は全然いいと思ったことはないが、『Tribe Called Discord〜』は良かった。情景を見る、自分で考える、それを言葉にまとめ、発話する。超シンプルなのに、それができないひとの方がいまは多い。自分もだけど。時間もないし余裕もない。

梅雨超嫌だけどもうすぐ夏が来る。早くともだちに会いたいよ!



2021/06/21

2021年5月に観た映画。

『ネオチンピラ 鉄砲玉ぴゅ~』(高橋伴明)★★
『白鳥の歌なんか聞えない』(渡辺邦彦)ラピュタ阿佐ヶ谷★
『痴漢日記5 尻を撫でまわしつづけた男』(水谷俊之)
『人間に賭けるな』(前田満州夫)★★★
『大江戸性盗伝 女斬り』(藤井克彦)ラピュタ阿佐ヶ谷★
『蔵の中』(高林陽一)ラピュタ阿佐ヶ谷
『スペシャルレッスン 変態性教育』(佐藤寿保)★★
『オリーブの林をぬけて』(アッバス・キアロスタミ)★★★
『桜桃の味』(アッバス・キアロスタミ)★
『デソレーション・センター』(スチュアート・スウェジー)★★
『新宿マリア』(若松孝二)★
『薔薇と鞭』(遠藤三郎)ラピュタ阿佐ヶ谷★★
『俗物図鑑』(内藤誠)ラピュタ阿佐ヶ谷★
『実録エロ事師たち』(曽根中生)★★
『見えない恐怖』(リチャード・フライシャー)★★
『高級ソープテクニック4 悶絶秘戯』(瀬々敬久)★★
『逆情』(若松孝二)★
『愛欲の標的』(田中登)★★
『ニュー・ジャック・アンド・ヴェティ モダン・夫婦生活讀本』(沖島勲)★★
『人も歩けば』(川島雄三)シネマヴェーラ渋谷
『幽霊暁に死す』(マキノ正博)シネマヴェーラ渋谷★★★
『明日をつくる少女』(井上和男)ラピュタ阿佐ヶ谷★★

22作品。ベストはマキノ正博『幽霊暁に死す』。編集・カメラワーク・音響、どれも尋常ではなく、一人で二役を演じる長谷川一夫のトリック撮影も相まって、不思議な高揚と感動があった。そういえば、しをさんが昔の映画人について「体力がヤバすぎる」と書いていたが、それは皆ヒロポンを飲んでいるからです(証拠もなく断言)!戦前がどうだったかはわからないが。マキノ監督も戦後はヒロポン中毒に苦しんでいたらしく、『幽霊暁に死す』で最もどうかしている職員会議の場面などを観ると、あのドラッギー演出にはヤクブーツの影響があったのではと思わずにいられないのである。脚本家の桂千穂が日本映画黄金時代に活躍した女性スクリプターにインタビューした聞き書き本『スクリプター 女たちの映画史』の中でも、数人のインタビュイーが口を揃えて当時の映画界のヒロポン汚染について触れていて、その実情が気になっていたところだ。これについてなにか良い文献があれば教えてください。というわけで今日までに読んだ本。

ウォーレン・オーツ『荒野より』訳:大久保賢一
管賀江留郎『道徳感情はなぜ人を誤らせるのか』
内村祐之・吉益脩夫 監修『日本の精神鑑定』
吉川浩満『理不尽な進化 遺伝子と運のあいだ 増補新版』
桂千穂『スクリプター 女たちの映画史』
小川紳介『映画を穫る ドキュメンタリーの至福を求めて』
キャシー・アッカー『ドン・キホーテ』訳:渡辺佐智絵
キャサリン・ダン『異形の愛』訳:柳下毅一郎
秋田昌美『スカム・カルチャー』
マーガレット・アトウッド『ダンシング・ガールズ』訳:岸本佐知子
猿渡由紀『ウディ・アレン追放』

ケネス・アンガーの伝説的悪書『ハリウッド・バビロン』でチャップリンのキモいロリコン話を読んだ後に、パートナーであるミア・ファローの若い養女と結婚したウディ・アレンのゴシップを読んでしまったので、いささか下世話な受け取り方をしてしまったが、『ウディ・アレン追放』はアレンがハリウッドで干されるまでの経緯やディラン・ファローに対する性的虐待容疑に関して知る上では良い資料であった。HBOのドキュメンタリー『ウディ・アレンVSミア・ファロー』への反応についてなど直近の情報もしっかりフォローされている。容疑については、アレンのキャリアを終わらせようとする被害者側と、ディランの義兄であるモーゼス・ファローも含めたアレン擁護側の言い分が全く食い違っていて、正直現時点では白とも黒とも言い難い。少なくとも、実際に有罪判決を受けたポランスキーと、20年前に一応は証拠不十分で不起訴という判断を受けたアレンを性犯罪者として同列にあげつらうのは妥当ではないのでは。虐待はなかったと結論づけるよう上から圧力があったという児童福祉局職員の証言もあるのだが。そんな状況の中で、アレンが腫れ物のように扱われるのは仕方ないとはいえ、俳優たちがアレン作品をボイコットしたり、嬉々としてアレンと手を組んだはずのアマゾン・スタジオが不当に契約を破棄したりするのには、何を今更?と思わないでもないが、"#MeToo"や"Time's Up"といった社会運動の目的はそこにこそあるのであって、アレンが過去を問われるのも必然か。ただ、本当にアレンが7歳の養女に性的虐待をしたのかどうか、僕には判別がつかないのである。管賀江留郎『道徳感情はなぜ人を誤らせるのか』は、人間がどうしても持ってしまう認知バイアスを克服しようというつまらないくらい真っ当な結論に至る大著だった。その認知バイアス・共感・道徳感情が冤罪を生んできたというのが著者の主張である。巻末で著者は読者に対して口を酸っぱくして「考える前に調べろ」と呼びかける。「読書とは物事を構築していく作業であって、そこになにかしら継ぎ足すことができないのであれば、それは読者ではなくたんなる消費者にしか過ぎない」と。"管賀江留郎(かんがえるろう)"という人を食ったようなペンネームとは裏腹に、全くもって真っ当なメッセージだが、これは実に骨が折れる作業である。でも、「調べるの結構好き」と思えてきたので良い傾向と思う。証拠もなく断言!とか言っている場合ではない。フィクションではキャサリン・ダン『異形の愛』が素晴らしいフリーク小説だった。それからキャシー・アッカーの『ドン・キホーテ』もよかった。特に、「彼女(彼)」「彼(彼女)」「女の子(男の子)」と釘を刺すように何度も何度も両性具有の三人称が繰り返される"異性愛"と題されたパートが強く印象に残っている。カーソン・マッカラーズ『心は孤独な狩人』の中の「よほど頭の良い人でも、この手の問題についてはたいてい思い違いをしてしまうようだが、それはどうしてだろう?人間は生まれつき両方の性を有しているのだ。」という一文(訳:村上春樹)が思い出される。終わり。

Jim Ford - Love On My Brain

2021/05/16

2021.4.9-5.16

 観た映画!

『Ten Skies』(2004)
『僕が飛び跳ねる理由』(2020)
『波のした、土の上』(2014)
『春を告げる町』(2019)
『隔たる二人の世界』(2020)
『パーム・スプリングス』(2020)
『東京の恋人』(1952)
『ある現代の女子学生』(1966)
『彼女』(2021)
『サイケな世界〜スターが語る幻覚体験〜』(2020)
『ビート・オブ・ダンク』(1993)
『ラストゲーム』(1988)
『HOOP DREAMS』(1994)
『アマチュア』(2018)
『SPACE JAM』(1996)
『バスケットボール・ダイアリーズ』(1995)
『ザ・ウェイバック』(2020)
『モキシー〜私たちのムーブメント〜』(2021)
『ブックセラーズ』(2019)
『金色夜叉』(1937)
『江分利満氏の優雅な生活』(1963)
『パペットマスター』(2018)
『カメラが捉えたキューバ』(2017)
『人魚伝説』(1984)
『イージー★ライダー』(1969)
『恐怖のまわり道』(1945)
『月のキャット・ウーマン』(1953)
『何も変わらない:ハンクとしれ芸術家の魂』(2018)
『警察と泥棒』(2020)
『聖者たちの食卓』(2011)
『真珠のボタン』(2015)
『痴漢電車 いけない妻たち』(1992)
『空に住む』(2020)
『狂熱の果て』(1961)
『光のノスタルジア』(2010)
『ドクター・ドリトル』(2020)
『ハッピー・オールド・イヤー』(2019)
『ほんとにあった!呪いのビデオ』1〜13
ケネス・アンガーの短編
いろいろ短編映画

びっくりするほど元気がない毎日!
ドリトル先生は子どもの頃見てたシリーズが大好きだったけど、なんとなく新しいのが配信に来てたので見てみた。映画としては別になんだけど、やっぱり動物はほんっとーに可愛いし、私もいろんな動物と話したいと切実に思った。子どもの頃の夢、獣医さんだったんだけど、動物が死ぬのを見届ける自信がなさすぎてその夢は中学生に上がる前に断念した。でもトリマーとかにはいまだになりたい。資格取ろうかな。。

最近は毎晩筋トレをちょっとして、呪いのビデオを見て(もしくはサウスパーク / ODD TAXI)最後にネトフリの快眠の勧めみたいなやつを見て寝るのがルーティーンです。
去年の今頃友達に勧められて闇動画をひたすら見てたけど、呪いのビデオは闇動画ほどのエンターテインメント性はなく、もはや1〜5くらいまでは本当に画質の問題もあって視力検査してる気持ちになる。「お分かりいただけただろうか?」からのリプレイでもぜんっぜんわかんなかったりするの、もはやこれはイマジネーションの世界であって画面をいかに「見るか」の話だなあとか思ったりして結構感動する。目に問いかけられている…

『ハッピー・オールド・イヤー』は劇場で公開されているとき観に行こうか迷ってたけど気付いてたら終わっててNetflixに入ってた。これも別に映画としてはなんだかな〜普通…という感じに思ったけど、あと私の部屋は物だらけだしそれを捨てようともあんまり思わないから主人公の固執するミニマリスト意識についていけなかった。が、自分の気分だったり罪悪感を消すために突然人に(今更!)謝りたくなる気持ちは常々あるのでなんだか胃が痛くなる話だった。『花束〜』は観てないけど坂本裕二脚本のドラマが結構好きでどれも欠かさず観ている。で、『大豆田とわ子〜』も毎週見てるわけだけど、それでも同じことを思ったりした。だってしょうがないじゃんね、でも今更謝られてもさらに相手の腹を立たせてしまうのはわかってるし、じゃあ一生黙ってればいいの?って。なんか何も正解なんてないんだが本当に謝りたい人はたくさんいるし、でもそれって私が悪かったの?なんでこんないつまでも罪悪感に苛まれなきゃいけないんだろうとかって思ったりもする。最近本当に落ち込んでばかりで、そういう時ってこういうことをすぐ思い出しちゃうじゃないですか。別に好きじゃない人と付き合ってて相手もなんとなくそれに気付いてて仕事も大変で休職して精神科に通い出した彼を私は完全に無視して逃げたりしたわけ、でも私だってそんなに精神がスーパーマッチョなわけないから、あ、この人とこれ以上いたら私まで崩れると思って別れたんだけど、ていうかそういうことが3回くらいあったんだけど、相手にとって私はサイテーなヤツなんだろうが、私だってたまにそれを思い出して本当にどうすれば良かったのか分からなくて帰り道に大泣きしたりしてる。だから何?って話だが。

清水宏が文芸坐でいくつか上映されていたようで、それらは見たけど結構まだまだ見てないのがあるなと思い『金色夜叉』を観た。ところであの時代の人たちはなんであんなに映画をドカスカ撮れたんだろうか。お金の話は別にいいんだけど体力がヤバすぎる。清水宏のたぬきみたいな腹に拍手。で、『金色夜叉』は脚本が清水じゃないから盛り上がりに欠けるし、マジで私が小学生〜中学生ぐらいのときにやってたぽいノリの昼ドラ的なネチネチ感で、結構疲れるわけだが、終盤主人公の女が嫁いだ家(結構でかい)での主人公とその旦那の掛け合いのカットがあり、そこでの空間の撮り方に本当にうっとりする。さすがすぎます、大好きです。

ポレポレでやってた小森はるか特集は本当に行ってよかったなと思った。緊急事態宣言が再びび発令されて長引いて、(なんか私ちょっと夢だった仕事やったんだけどそれも緊急事態宣言のせいでなんだか言いづらい悲しさ)映画館がどんどこ閉まって、でも映画館の中で上映が始まってしゃべるヤツいねーだろみたいな。本当に悲しいですよね、ラピュタ(はやってるけど)とか国立アーカイブとかに通いまくってた年寄りのドキュメンタリーをコロナ以前にとっておくべきだったし、あの人たち本当にどうしてるんだろう。悲しいな〜〜〜ていうか映画って万人に開かれているべきだと思うんですよ超当たり前だけど。で、私は本当につらいとき救ってくれるのは絶対に映画だと思ってるし今までも映画があったからこそ乗り越えてきたことがあって、なんかえらそーにしゃべるやつらが多すぎる。お前らみたいなのが映画に関わってるからこんなクソみたいなことになってんだよって思うことが多すぎる。私は何様?ってなるんだけど私はまじでただのたまに映画館に行く女であって、それ以上もそれ以下もない、あとはお酒飲んでるだけだし。なんかとにかく驕ってる人たちが怖い。どの仕事しててもそうなんだけど業界サンうんざり、もう本当に現実が傷つくことばっかりで清水宏ワールドに飛び込みたい。う!

最後に、いつだかの週末に適当に見たい映画をだらだら見てた日、まずはサウスパークのシーズン22の6・7話を見たの、マンベアピッグっていう熊と豚が合体した意味わからん怪物がサウスパークの住民を無差別に襲撃する話(ここでサタンが登場し、マンベアピッグに立ち向かい、負けてみんな泣くという素晴らしいシーンがあります)を見て、その後何の気なしに『パペットマスター』(ナチスのヤバおっさんがフォビア的に同性愛者やユダヤ人を殺す人形を作りまくってて、その人形が復活しちゃって人をバカスカ殺すだけの話)を見まして、いや〜なんか今日は惨殺系が多いわね・・・と思いながら最後に内容全く知らずに『人魚伝説』見たかったんだった!と思ってみたらこちらも最後主人公の女が銛で人をひたすら殺しまくる素晴らしいシーンがありました(「殺しても殺しても悪い奴が出てくる…うちは一体誰を殺したらいいんやろう」みたいな最高の台詞!)。つまり意図せず斬殺祭を開催してしまった訳であり、なんか楽しかったな。。映画っていいなあ 以上です。


2021/05/09

2021年4月に観た映画。

『くの一忍法 観音開き』(皆川隆之)
『しあわせの一番星』(山根成之)★
『河内のオッサンの唄 よう来たのワレ』(斎藤武市)★★
『サンクタス』(バーバラ・ハマー) イメフォ
『ナイトレイト・キス』(バーバラ・ハマー)★★ イメフォ
『兵隊やくざ 脱獄』(森一生)★
『マリリンとアインシュタイン』(ニコラス・ローグ)★★
『さらば愛しき女よ』(ディック・リチャーズ)★★
『男子ダブルス』(ジャン=フランソワ・ステヴナン)★ アンスティチュ・フランセ
『ブルージーンズ・ジャーニー』(ディック・リチャーズ)★★
『のけぞる女』(加藤彰)★★
『波影』(豊田四郎)★ ラピュタ阿佐ヶ谷
『ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒』(クリス・バトラー)
『トラベラー』(アッバス・キアロスタミ)★★
『友だちのうちはどこ?』(アッバス・キアロスタミ)★★
『赤い暴行』(曽根中生)(再鑑賞)★★★
『そして人生はつづく』(アッバス・キアロスタミ)★★

17作品でした。『河内のオッサンの唄 よう来たのワレ』と『兵隊やくざ 脱獄』は田中邦衛追悼の意味で。しかし印象深い邦衛は『仁義の墓場』でのゾンビみたいなシャブ中役であり、『アフリカの光』でのショーケンとのイチャイチャであり、『人斬り与太 狂犬三兄弟』での肉親に撲殺されるあんまりな死に様であり、『人間の條件』での落ちこぼれ二等兵役であり、『黒木太郎の愛と冒険』での勇姿である。ラピュタ阿佐ヶ谷の豊田四郎特集は結局ニュープリントの『波影』しか観られなかった。そういえば特集のラインナップにもあった豊田監督の『千曲川絶唱』にも邦衛はイイ役で出演していて、話自体はなんてことない泣かせの難病モノなのだが、終盤にある、列車のデッキに立つ星由里子とその列車と並走するトラックの運転席に座る北大路欣也との切り返しが異常に素晴らしくて強く強く心に残っている作品。騙されたと思ってあのシーンのためだけにでも観てほしいと思います(未DVD化)。撮影の岡崎宏三は『波影』でも抜群の仕事をしていた。こちらも話自体は別にどうということはない廓モノで、それでも結構イイモン観たなと思うわけなので、やっぱりストーリーなんて映画の一要素でしかないのだ。そういう意味で、いつかのラピュタ阿佐ヶ谷のレイトショーで観て以来久々に観た曽根中生『赤い暴行』は、iPadの小さい画面で観ても最高の映画であった。売れないバンドマンたちがセックスしたりケンカしたりする、マジで大したことないし取り留めもない話なのだが。遺作の『ライク・サムワン・イン・ラブ』(すっごくヘンな映画!)しか観たことがなかったアッバス・キアロスタミの作品が配信されたので観てみる。『友だちのうちはどこ?』と『そして人生はつづく』のメタな関係性や素人の子供を起用する点など、清水宏『蜂の巣の子供たち』『その後の蜂の巣の子供たち』を連想する。先月は池袋の新文芸坐で清水宏特集が組まれたが、ラピュタ阿佐ヶ谷の子供映画特集で観逃がした"蜂の巣3部作"の第3作目『大佛さまと子供たち』はラインナップに入らなかった。早くオレに大仏を見せてくれ!ここで先日観た『白鳥の歌なんか聞えない』でヒロインの本田みちこが岡田裕介に出していた大仏クイズです。Q. 鎌倉の大仏はいつたったでしょうか A. まだたっていない 大仏は座っているから… 以上です。映画は17本しか観られなかったけど、通勤時間で読書が捗っているので先月以来読んだ本を。全部面白いです。

フィリップ・ロス『グッバイ、コロンバス』訳:中川五郎
徳南晴一郎『孤客』
チャールズ・ウィルフォード『コックファイター』訳:齋藤浩太
チャールズ・ウィルフォード『危険なやつら』訳:浜野アキオ
ジョン・ファンテ『犬と負け犬』訳:栗原俊英
ジョン・ファンテ『ロサンゼルスへの道』訳:栗原俊英
チャールズ・ウィルフォード『拾った女』訳:浜野アキオ
モンテ・ヘルマン『モンテ・ヘルマン語る 悪魔を憐れむ詩』監修:樋口泰人 訳:松井宏
ホレス・マッコイ『彼らは廃馬を撃つ』訳:常盤新平
イシュメル・リード『ループ・ガルー・キッドの晴一郎逆襲』訳:飯田隆昭
白坂依志夫『不眠の森を駆け抜けて』

ウィルフォード楽しい。『拾った女』はとにかくラスト数行で明らかにされるある仕掛けに面食らった。あれは映像では不可能である。読書って楽しいと素直に思えた。『怪談 人間時計』でおなじみのカルト漫画家・徳南晴一郎の自伝『孤客』は小人症であった著者の怨念を感じる一冊で、今生本棚に忍ばせておきたい。増村保造作品でその名を知らしめた脚本家・白坂依志夫の評論・エッセイ集『不眠の森を駆け抜けて』は、巻末の篠田正浩との対談も含めて映画の話も普通に大変面白く大変ためになるんだが、セックス絡みの昭和映画界ゴシップネタには本気で閉口させられる。増村版『暖流』の左幸子が余計キツくなった。作家の山内マリコがかつて旧作邦画ブログ"the world of maricofff"に書いていた『暖流』の感想(暖流(1957))は傑作なので是非読んでくれ。同ブログに書かれた吉村公三郎『婚期』の感想(婚期(1961))も個人的に印象深いのだが(「そう、これは胸を張って言えることですが、いい年して彼氏いないと、どんなお嬢さんでも意地悪になります。本当です!」そうなんだ!)、山内さんが最近のインタビューで「フェミニズムに目覚めたのは20代後半の頃。ヤバい! 結婚しなきゃ!という内圧と闘ううちに、結婚が女性差別の温床なのに気づいて、一気に覚醒していきました。」と語っているのと照らし合わせると、"覚醒"のきっかけは『婚期』の高峰三枝子だったのではないかと思えてなかなか味わい深い。まあ山内マリコの小説は読んだことないのだが。というわけで、買っただけで満足しちゃった未読本を消化できる日々の通勤時間が相変わらず楽しい。なので面白い本やためになる本があったらオレにも教えてくれよな。にしても、このブログには参加者が10人もいるのに去年の5月以降アタシとしをさんしか更新しないじゃないですか。いや別にいいんだけど、なんかウケるなと思って。参加者はたぶん随時募集していると思いますのでどなたか是非。それでは、今月発売される9枚組BOXセットが一部で話題の工藤冬里率いるマヘル・シャラル・ハシュ・バズの名曲"8mmの昼食風景 / Lunch Scene in 8mm Film"でさようなら。



2021/04/11

2021年3月に観た映画。

『何食わぬ顔』(濱口竜介)
『青年の海 四人の通信教育生たち』(小川紳介)
『あるマラソンランナーの記録』(黒木和雄)★★
『ある機関助士』(土本典昭)
『留学生チュアスイリン』(土本典昭)★★
『関東幹部会』(澤田幸弘)★
『サン・ラーのスペース・イズ・ザ・プレイス』(ジョン・コニー)★
『圧殺の森 高崎経済大学闘争の記録』(小川紳介)★
『関東破門状』(小澤啓一)★
『水俣の子は生きている』(土本典昭)
『水俣 患者さんとその世界』(土本典昭)★★★
『不知火海』(土本典昭)★★★
『全身小説家』(原一男)★
『地平線がぎらぎらっ』(土居通芳)★

14作品でした。先月から11時~20時の週5労働になり、せっかく渋谷に勤めているのに営業時間短縮もあってレイトショーやラスト1本は観に行けず。実働8時間休憩1時間で拘束時間は計9時間、通勤は電車で片道1時間。普通に働くと自由な時間は普通にがっつり減るのだと知る。オンラインの勤怠管理、日毎に課されるノルマ、毎日Slackで周知される個人の業務成果。システマチックで色々とアホくさいことは多いが、仕事自体は単純作業で特に苦は無い。黙って手を動かし続けていればいつの間にか退勤時間になっている。どんなアホでもやれと言われたらとりあえずはやれる仕事である。当時の部長(僕が入社して1週間で異動になった)と面接をしたときには「単に販売するだけではなくキュレーションに力を入れていきたい」という会社の方針の下、僕の音楽知識や情報発信に期待する素振りを見せていたので、味も素っ気もない単純作業には当然気乗りしないが、初めはこんなもんだろう。そのうちに部署の異動もあるかもしれない。正確さと効率を同時に求められる作業には僕は向いていないということを上司には早く見抜いてもらおう。前の古書店アルバイトでさえ、動作のスピード感のなさ(プラス元気の無さ)については最後まで店長や夫人から指摘されていたのだ。誰だって慣れれば効率がグンと向上するなんて思わないでほしい。とはいえ、他に何が向いているということもないのも事実であって、学歴も社会経験もろくに積まずにこの歳まで生きてきてしまったツケはこれから数十年払い続けなければならないのだし、僕はもう現状以上は望まない。しんどくなければよい。余生なので。ただ、座りっぱなしだったりレコードの詰まった段ボールを運んだりするからか、最近は寝ても覚めても腰や背中が痛い。そのうちぎっくり腰かなんかやるのではないかと不安だ。今まで整体だのマッサージだの通っている人間のことが理解できなかったが、僕もそのうち入用になるのではなかろうか。そのときは良いところ紹介してください。職場で扱うのは中古盤屋で見かけても目にくれないような僕にとってはどうでもいいレコードがほとんどだ。ビートルズとかハードロックとかもうマジでtoo muchである。Half Japaneseの大名曲であり僕の生涯のベストソングのひとつでもある"No More Beatle Mania"が日々脳内で再生されている。"Once Is Enough!!!!"、叫びたくなるフレーズだ。てか"enough"って単語好き。ポストパンクレジェンドWireの"Once Is Enough"、Riot Grrrlの代表Sleater-Kinneyの"It's Enough"、90sインディーの中でも特に偏愛しているSilkwormの"Enough Is Enough"、Touch And Goレーベルの忘れ難いバンドSeamの"Two Is Enough"、Superchunkの説明不要なアンセム"Hyper Enough"、以上パッと思いついたenoughな名曲。話を戻しますと、えー、戻れなくなりました。映画の話しよう。先月は土本典昭の映画に大変感銘を受けた。YouTubeで公式に観られる『留学生チュアスイリン』も全市民に観ていただきたい傑作ドキュメンタリーだったが、やはり水俣の映画『水俣病 患者さんとその世界』『不知火海』だ。映画を観たあとにも、監督の著書『映画は生きものの仕事である』『逆境のなかの記録』、石牟礼道子『苦海浄土』、『不知火海』にも出演していた原田正純医師の『水俣病』を読んで感じ入ること多し。今年の5月1日で水俣病の公式発見から65年。ジョニー・デップが写真家ユージン・スミスを演じる『MINAMATA』の公開も控えているし、ホント僕が言うことでもないんだが、これを機に水俣のことを知る人が増えるのを願う。更に今年公開予定の原一男の新作『水俣曼荼羅』は6時間にも及ぶ水俣病に関するドキュメンタリーであるという。長すぎ。土本監督の『医学としての水俣病』みたいにせめて3部作とかにすればいいのに。先月観たドキュメンタリーでいえば黒木和雄『あるマラソンランナーの記録』(NPO団体が公式に配信している)はハッキリと狂気の映画だと思った。魑魅魍魎ひしめく新東宝が生んだ傑作のひとつとされる『地平線がぎらぎらっ』もよかった。何はともあれタイトルが素晴らしいだろう。そしてオレはジェリー藤尾が好きなんだ。と、まあ、先月はそんなところ。6月のレコード・ストア・デイに、僕の生涯ベスト映画であるハル・アシュビー『ハロルドとモード』のサントラ盤が発売されるという。1972年のキャット・スティーヴンス来日に際して日本オンリーで企画されたサントラ盤は持っているのだが、ルース・ゴードン演じるモードの在り様を象徴する"If You Want To Sing Out, Sing Out"が未収録なのが不満だった。僕と同じように『ハロルドとモード』が大好きだという映画監督のキャメロン・クロウが自ら企画して2007年に発売した2500枚限定のサントラ盤はプレミア化していて手が出ない。なので今回のRSD盤は努力して確実にゲットしたいところだ。そんな決意とエリオット・スミスによる『ハロルドとモード』挿入曲"Trouble"のカバーで今回は終わります。さようなら。

2021/04/09

2021.2.1-4.8

 『おとし穴』(1962)
『監視資本主義 デジタル社会がもたらす光と影』(2020)
『名探偵ピカチュウ』(2019)
『俺は田舎のプレスリー』(1978)
『アズミ・ハルコは行方不明』(2016)
『今日、恋をはじめます』(2012)
『マイリトルゴード』(2018)
『月は上りぬ』(1955)
『マーダー・ミステリー』(2018)
『あさがくるまえに』(2016)
『容疑者、ホアキン・フェニックス』(2010)
『Klaps』(1976)
『Talking Heads』(1980)
『明日への地図を探して』(2020)
『Dworzec』(1980)
『危ないことなら銭になる』(1962)
『天使の楽園』(1999)
『ジョーン・ディディオン:The center will not hold』(2017)
『どこまでもいこう』(1999)
『赤い風船』(1956)
『放浪の画家 ピロスマニ』(1969)
『白い町で』(1983)
『バッド・テイスト』(1987)
『ぼくの小さな恋人たち』(1974)
『乳房よ永遠なれ』(1955)
『田舎司祭の日記』(1950)
『東京の恋人』(2019)
『シン・エヴァンゲリオン 劇場版』(2020)
『ペイン・アンド・グローリー』(2019)
『あなたと私の合言葉 さようなら、今日は』(1959)
『恋人』(1951)
『Khaite FW21』(2021)
『女人哀愁』(1937)
『ノマドランド』(2020)
『ジャック・リヴェット、夜警』(1990)
『パンと植木鉢』(1996)
『自由、夜』(1983)
『パリ、18区、夜。』(1994)
『かげを拾う』(2021)
『Pig Iron』(2010)
『緑のアリが夢見るところ』(1984)
『あの子は貴族』(2021)
『イルマ・ヴェップ』(1996)
『SAFE』(1995)

あとは短編とか!
2月〜3月終わりまで仕事がずっと忙しくてほとんど映画見てなかった。1ヶ月で3本くらいしか見てなかったと思う、こんなの久しぶりすぎた。。悲
やっと仕事が落ち着いてここ最近は仕事終りにツタヤ行ってVHS借りるのが日課になってる。映画が好きになった当時はNetflixなんてまだなかったから、大学終わりにツタヤに行ってDVDを借りるのが日課だったんだけど、そのとき棚のどこを見てもほとんどわかんない作品ばっかりですごくワクワクしたの覚えてる。なんとなく見まくって、(されど限界はあるが)その後は配信サービスがたくさん出てきたからほとんど忘れていたこの感動に久しぶりに出会えて楽しい。気になるVHS借り切るまで仕事辞めない!(渋谷というまちが嫌いだから多分会社辞めたら行かなくなる)
そんな楽しいVHS生活で見れて本当に嬉しかったのはヘルツォークの『緑のアリが夢見るところ』。三鷹にまだ映画館があったときに父親が見たらしく、パンフレットが物置に置いてあって、それを読んでから見たいと思い続けていて、そういえば知り合いのお兄さんもすごく褒めていて、ずっと気になってたの。まじで良かった〜〜〜〜〜〜大好きなひとたちの好きなものって体験できるとうれしくなる。当たり前か
あとはエヴァを見たのが今年初の映画館だった。とにかく忙しかったからだけど、久しぶりに映画館に行っていい音と大きな画面で見るのは楽しいな〜って思った。あとは何より『ノマドランド』が最高だった。終わった後のすっきりとした気持ち、そして誰かにこの映画よかったよって話したくなる気持ちってめちゃくちゃ素敵なことで、ともだちとあの映画本当によかったよね!!!って夜中まで話したりして、そういう映画って本当にいいなって思った。本当にひとそれぞれの見方があって、それを聞くのが楽しい。私はずっと心に留めてる大好きな言葉を思い出したりしてた!

あとは『あの子は貴族』とかも見てたりしてたけど、人物配置の仕方とかで階級を表してるのとか、キャスティングももちろんだけど、丁寧だな〜って思ったりしたけど、まあシンプルにイラッとしたのであんまり好きじゃなかった。自分が当たり前に躾けられてきたことが誇張されていると、別に圧倒的貴族じゃなくても当たり前のことだし。。というか自分的に当たり前すぎることなのに。。なぜそこまで誇張する。。。となってしまう。こういちいちアングルが〜とか編集が〜とかよりも自分は面白かった/面白くなかったっていう話の方が聞きたい。

あとは大好きなショーンベイカーのブランドショートムービーが最高だった!
これのBGMのエース・フレイリーの曲ダサくてめちゃくちゃお気に入り。最近毎日聴いてる…




2021/03/03

2021年2月に観た映画。

こんにちは。2月は以下の38作品を観ました。

『無人列島』(金井勝)★
『裏切りの季節』(大和屋竺)★
『GOOD-BYE』(金井勝)★★★★
『続日本暴行暗黒史 暴虐魔』(若松孝二)
『処女ゲバゲバ』(若松孝二)★
『歪んだ関係』(若松孝二)
『毛の生えた拳銃』(大和屋竺)★★
『現代性犯罪絶叫篇 理由なき暴行』(若松孝二)★★
『真昼の惨劇』(野村企鋒)ラピュタ阿佐ヶ谷
『王国』(金井勝)★★
『落穂拾い』(アニエス・ヴァルダ)目黒シネマ★
『時が乱吹く』(金井勝)★★
『どっこい!人間節 寿・自由労働者の街』(湯本希生)★
『お嬢ちゃん』(二ノ宮隆太郎)★
『性賊 セックス・ジャック』(若松孝二)
『新宿マッド』(若松孝二)★★
『性輪廻 死にたい女』(若松孝二)
『秘花』(若松孝二)
『パルチザン前史』(土本典昭)★★
『心の傷を癒すということ 劇場版』(安達もじり)
『赤軍-PFLP 世界戦争宣言』(若松孝二・足立正生)
『椀』(足立正生)
『夕やけ雲』(木下恵介)★★
『夕陽に赤い俺の顔』(篠田正浩)
『日本解放戦線 三里塚の夏』(小川紳介)★
『草とり草紙』(福田克彦)国立映画アーカイブ★★
『三里塚 第二砦の人々』(小川紳介)★★
『三里塚 岩山に鉄塔が出来た』(小川紳介)★
『三里塚 辺田部落』(小川紳介)★★★
『三里塚 五月の空 里のかよい路』(小川紳介)
『中央地帯』(マイケル・スノウ)★
『アザー・ミュージック』(Puloma Basu, Rob Hatch-Miller)★★★
『涙を、獅子のたて髪に』(篠田正浩)★
『赤いトキ』(ジャン=ピエール・モッキー)ユーロスペース★
『宝島』(ギヨーム・ブラック)ユーロスペース★★
『'69春~秋 地下広場』(大内田圭弥)国立映画アーカイブ
『二重のまち/交代地のうたを編む』(小森はるか・瀬尾夏美)ポレポレ東中野★★
『本気のしるし 劇場版』(深田晃司)★

若松孝二と足立正生がカンヌ映画祭帰りにパレスチナに向かい新左翼のアイドル重信房子と合流して共産主義テロ集団パレスチナ人民解放軍のゲリラ戦士を取材し撮り上げたプロパガンダ映画『赤軍-PFLP』をもって僕の若松-足立ノックは一旦休止です。『赤軍-PFLP』自体はつまらないですが、書籍などで関係者による撮影記やその後のいわゆる"赤バス"での上映運動について知るとなかなか楽しい映画です。60年代の若松作品はもちろん、『三里塚』シリーズや『パルチザン前史』『'69春~秋 地下広場』など60年代、70年代頭にかけての新左翼運動に関わるドキュメンタリーなどを観て、ホントに昭和eraってどうかしてたんだなーと再確認できました。たしかに熱い時代で面白いなーとは思うんだけど、基本的にはホットすぎてキツいノリです。と同時に、一昔前の「民主主義ってなんだ?」がホットだった時期を思い出して、僕はあれにも全然ノレなかったんだよなー。政治的態度を表明しなかったり中道を標榜したりするのに負い目を感じさせられるような、常に「お前はどっち側なんだ!」と問い質されているような、そんな気分があれからジワジワと続いています。ツイッターの見過ぎなのか?たしかに僕は毎日毎日何かしらや誰かしらに対して怒って怒って怒っているような、菊地成孔言うところの"Twitterジャンキー"的な正しさで満たされたアカウントを見るのはどちらかというと好きなのだが…(自身のトランプ支持を喧伝されて憤慨していた菊地成孔はダサかったと思うが…)。世界酷いし日本余計酷いし怒るの当然だとは思うけど、「冷笑ダサい」みたいな風潮も正直しんどい。こんな育ち方をしてしまった自分を恨みます。で、映画の話に戻ろうね。なんといっても先月は金井勝の作品に魅了されました。特に『GOOD-BYE』は生涯ベスト入りです。上記のリストを見てください、史上初の★4つです。いやそんなの僕の匙加減なのでどうでもいいんですが。この李舜臣の銅像の前にすっくと立つむささび童子、金井勝、山崎佑次のスリーショットを見てくれ。
観た人にしか伝わらないし、なんなら観た人にも伝わらないだろうが、僕はこれにものすごーく泣いちゃうくらい感動して興奮したのだった。好きすぎて人には勧めたくないし、この映画をこんなに好きな人間が僕の他にいるのだろうか。誰かが「『GOOD-BYE』最高!生涯ベスト!」って言っていたら、僕は「嘘つくな!」と言います。乱暴者です。さらにシュールさを極めた『王国』も、亡くなった友に捧げたエッセイ映画『時が乱吹く』も、金井監督の作品はどれも素晴らしかったです。お給料をもらったらちょっと高価な金井勝DVD-BOXを買うつもりです。そうそう、やっと仕事が決まったんですよ。今までのように好きなときに観たい映画観に行ったり遊び呆けたりはできないんだろうなーと思うと悲しいけど、そんな甘いこと言ってられる歳でもないですね実際。マジで。ホントに。とりあえず今は、僕が何においても役立たずだという事実が会社にバレるのをなんとか先延ばしにしたいと考えています。昨日、一日のノルマの仕事量を聞かされて「あーどんなに頑張っても無理だ 素早さと正確さが同時に求められるような作業には根本的に向いていないのだから」と悟ったところなのですが、愛嬌のない愛想の悪い仕事もできない頑張れない人間が社会でどう扱われるのか想像するとゾクゾクしてきます。ノルマだとか、Slackだとか、オンラインの勤怠管理だとか、すでに色んなことがアホくさい。できない人間がいることを思い知らせてやりましょう。そしてクビになったらパーティーしよう。それまでは一応真面目にやろう。それはさておき映画の話ですが、グッチーズ・フリースクール主催のオンライン映画祭で観たNYCにあったレコード屋Other Musicの閉店を捉えたドキュメンタリー『アザー・ミュージック』が最高でしたね。映画観ながらこんなに固有名詞に陶酔することもないんじゃないかというくらい、好きなものしか出てこない。ハイライトのひとつがGary Wilsonのインストアライブなの、otherすぎる。この店で働けなかったことが悔しすぎて鑑賞後しばらくのあいだ頭がかき乱されていた。Other Musicのオーナーの配偶者が「この店が閉まったら今いるスタッフのことが心配 他の場所では働けない人たちばかりだから」とインタビューに応えていて泣きそうになった。そしてそれでも店をクビになったアニマル・コレクティヴのAvey Tareを思う。彼はそのあと素晴らしい音楽を作った。ふさわしいと思える場所で生きていたいそれがあたしの望みです。それでは聴いてください。DJ Kozeで"I Haven't Been Everywhere But It's On My List"。そいじゃ。





2021/02/04

2021年1月に観た映画。

『あみこ』(山中瑤子)
『そんなこと考えるの馬鹿』(田村将章)
『散歩する植物』(金子由里奈)★
『ラブコメ処方箋 甘い恋のつくり方』(デヴィッド・ウェイン)★
『帰ろうYO!』(松本卓也)
『処女監禁』(関本郁夫)★★
『女番長ブルース 牝蜂の逆襲』(鈴木則文)
『女番長ブルース 牝蜂の挑戦』(鈴木則文)★
『ビルとテッドの時空旅行 音楽で世界を救え!』(ディーン・パリソット) 吉祥寺オデヲン ★★
『女番長ゲリラ』(鈴木則文)★
『女番長』(鈴木則文)
『女番長 タイマン勝負』(関本郁夫)★★
『女番長 玉突き遊び』(関本郁夫)★
『mid90s ミッドナインティーズ』(ジョナ・ヒル) 早稲田松竹 ★
『好色元禄(秘)物語』(関本郁夫)
『天使の欲望』(関本郁夫)★
『二十歳の死』(アルノー・デプレシャン)★
『温泉こんにゃく芸者』(中島貞夫)
『温泉みみず芸者』(鈴木則文)★★
『温泉おさな芸者』(鷹森立一)
『ニュー・ジャック・シティ』(マリオ・ヴァン・ピーブルズ)★
『ステップ・アクロス・ザ・ボーダー』(ニコラス・フンベルト、ヴェルナー・ペンツェル)★
『俺は田舎のプレスリー』(満友敬司) 神保町シアター ★★
『故郷』(山田洋次)★★
『挽歌』(五所平之助)★★
『現代性犯罪暗黒編 ある通り魔の告白』(若松孝二)
『螢火』(五所平之助)★
『縄姉妹 奇妙な果実』(中原俊)★★★
『893愚連隊』(中島貞夫)★★
『白い娼婦 花芯のたかまり』(小沼勝)★
『現代好色伝 テロルの季節』(若松孝二)★★
『春婦伝』(鈴木清順)★★
『団鬼六 少女木馬責め』(加藤文彦)★★
『噴出祈願 十五才の売春婦』(足立正生)
『堕胎』(足立正生)
『鎖陰』(足立正生)★★
『銀河系』(足立正生)
『性遊戯』(足立正生)★
『性地帯 セックスゾーン』(足立正生)
『女学生ゲリラ』(足立正生)★
『叛女 夢幻地獄』(足立正生)★★
『狂走情死考』(若松孝二)
『壁の中の秘事』(若松孝二)
『血は太陽よりも赤い』(若松孝二)★
『痴漢電車 いけない妻たち (別題:わたくしの汽車は北へ走つてゐるはずなのに ここではみなみへかけてゐる)』(瀬々敬久)
『鉛の墓標』(若松孝二)
『性の放浪』(若松孝二)★★
『日本暴行暗黒史 異常者の血』(若松孝二)
『心の中』(大木裕之)★★★
『性犯罪』(若松孝二)

50作でした。東映B級と若松プロにだいぶ偏ってます。『女番長』シリーズは鈴木則文が4作と関本郁夫が2作を撮ってるんですが、ベストは関本監督の5作目『女番長 タイマン勝負』。鈴木監督の著書『東映ゲリラ戦記』と関本監督の著書『映画人列伝』もサブテキストとして買いました。音楽のベスト記事書いてるときも感じましたけど、製作背景や作り手本人の証言に当たると面白いですね。外国映画なんか観るとすぐIMDBのTriviaの欄見ちゃいますもんね。例えば、佐藤忠男編『お化け煙突の世界 映画監督五所平之助の人と仕事』を読んで、彼が妾の子で、5歳の時に父方の本家に迎え入れられることになり、生母と引き離されるときに「もうこれからはお母さんと呼んではいけない」と言われた、なんていう話を知ると、映画の味わいもまた変わってきます。「五つのときの、生母との別れは忘れられません。二月の寒い日で、雪が降っていました。(中略)庭に黄色い花が咲いていました。この日以来ですね、黄色い花が好きになったのは、のちに『黄色いからす』という映画を撮りましたが、この日のことにつながっているのでしょう」。なるほどなー。『黄色いからす』は良い映画です。それから、関本郁夫作品『処女監禁』『天使の欲望』における"津軽の海"の謎も、『映画人列伝』を読むと、津軽という土地が、ほとんど関本監督の生理に訴える何かであるとわかる。まあ映画を観る上でどうでもいいっちゃどうでもいいんだけど、知ると面白いです。それだけ!家で映画観るようになってからそういう周辺情報をリサーチする傾向が増している気がします。だって、ヒマだからな!(上野顕太郎調)。若松孝二に関しては内田裕也出演作しか観ておらず「昔の左翼の監督でしょ」くらいの雑な認識だったんですが、佐藤重臣著『祭りよ、甦れ!』で度々言及があったのと、レイトで香取環特集をしていたラピュタ阿佐ヶ谷に立ち寄ったときに買った鈴木義昭著『ピンク映画水滸伝』の新装文庫版を読んで一通り観てみようと思いました。これまで観た中では『性の放浪』と『現代好色伝 テロルの季節』がオススメです。同時に以前から興味のあった足立正生の作品も観たんですが、まあまあ面白いです。お気に入りは日大映研時代の実験映画『鎖陰』と貞永方久監督の神経症的なサスペンスに近い雰囲気の『叛女 夢幻地獄』。劇場で観たのは『ビルとテッドの時空旅行』『mid90s』『俺は田舎のプレスリー』くらいですね。全部良かったです。ステーション!今月も引き続き若松孝二を観ると思いますが、これもまた佐藤重臣の本で取り上げられていた金井勝をゴニョゴニョな方法で観てみたらホントにホントに感激したので、1万円する金井勝DVDボックスを買おうか本気で迷っています。誰かカンパお願いします。それではさようなら。

2021/02/01

2021.1.13-1.31

最後更新してからみた映画
『ジャーマン+雨』(2006)
『悶絶 ほとばしる愛欲』(2006)
『団地妻 白昼の不倫』(1997)
『新・団地妻 不倫は蜜の味 今宵かぎりは…』(1999)
『デヴィッド・バーンのトゥルー・ストーリー』(1986)
『フィールド・オブ・ドリームス』(1989)
『メロデ』(1989)
『二十歳の死』(1991)
『花井さちこの華麗な生活 インターナショナルバージョン』(2004)
『Doodlebug』(1997)
『不倫日記 濡れたままもう一度』(1996)
『風たちの午後』(1980)
『フェリチタ!』(2020)
『ウィーク・オブ・ウェディング』(2018)
『怪談』(1965)
『奥様は妊娠中』(2019)
『バーニング・ゴースト』(2019)
『街をぶっ飛ばせ』(1968)
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015)
『すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』(2019)
『現代好色伝 / テロルの季節』(1969)
『路面電車』(1966)
『顔』(1966)
『役所』(1966)
『ジェーン・カンピオン短編集』(1982)
『孤高』(1974)
『リクエスト番組』(1967)
『Fabryka』(1971)
『他人の顔』(1966)
『白い朝』(1965)
『東京1958』(1958)

あとはmyfffで短編を何本か
気分が変わっていくのが並べるとよくわかる。
前半は、ビデオマーケットを退会しようと思って(闇動画ほぼみたから)見逃していたピンク映画をどんどこみてたけどそうしたら楽しくなっちゃって退会するのやめた。
サトウトシキの『不倫日記 濡れたままもう一度』は本当に素晴らしかった。。幽霊になっちゃう葉月螢最高!
myfffは『奥様は妊娠中』と『バーニング・ゴースト』は結構面白かった。後者とかちゃんとスクリーンでみたい。
そんで私の最近の大事件といえば、先日夢で自室にビデオデッキがあったんです。で、ふつうになんかみてて、起きてあ〜ビデオデッキほし〜〜〜と思いながら、その日は暇だったから古本を漁りに行ったんです。そしたらボガンボスのライブVHSが2本売ってるのを見つけちゃって、あ、これは私が買うやつジャン!と確信し、その数日後テレビデオを買った。超久しぶりにサクサク買い物した。メルカリ大好き!
その後にボガンボス買ったりキエシロフスキーの『デカローグ』をもらったりして最近はVHS生活を楽しんでる。楽しすぎる。『デカローグ』の道のりは長すぎるのでいい機会だと思ってキエシロフスキーの初期作品とかいくつかみてるんだけど、みんな初期に怪ドキュ撮るもんなのかな、、と『役所』あたりをみて思った。ゴダールのコンクリートのやつとか、みんな通る道なの?そんでその後男と女の話に突っ走るコースなの?謎。

ところで行き場のなくなった『天国にちがいない』について年始に書いたやつをここで加筆して成仏させまーす。昨年末Filmexで観たエリア・スレイマン『天国にちがいない』が素晴らしかった(日本では1月29日から公開)。イスラエルに生まれ育ったスレイマン自身が彼自身(映画監督であり一人の男)として出演し、ナザレの自宅から出発し、パリやニューヨークといった都市を回っていくストーリーである。結局オチは「どこに行ったって天国であり地獄」で、(ところで最近ブルーハーツのライブVHSを買って延々と流してるんですけど、「TRAIN-TRAIN」には「ここは天国じゃないんだかと言って地獄でもない」って歌詞がありますけど本当にそうだよね、いいやつばかりじゃないけど悪いやつばかりでもない。あー会社とかマジでそう。それでもやめて〜〜〜〜話はさらに脱線しますけど、ブルーハーツ(よりもハイロウズ)とか、ボガンボス(よりもどんと)みたいな素晴らしい歌詞はもう誰も歌わないんですか。なんでみんな男女の絡れについてしか歌わないんですか、別にいいけど。「愛じゃなくても恋じゃなくても君を離しはしない」についてわからん奴らが多すぎるからだ〜〜〜〜バーカバーカ)

不自然な静けさを伴ってパリでは多くの警官が暇つぶしに路上に設置されたカフェの椅子と椅子の距離を測ったり、ホウキで空の瓶を排水溝に捨てようと必死になっていたり、ニューヨークでは広場の椅子を必死に(けれども静かに)取り合う地元の人々が映されている。
映画には異質なものが入り込むと途端に深みを増すのだと、年始に言われたときこの映画をふと思い出した。例えば『動くな!死ね!甦れ!』(1990)の頭のおかしな老人だったり、『ダゲール街の人々』(1976)もそう。当たり前の日常には必ず異質なものが紛れ込んでいる。一昔前はヴィヴィアン・マイヤーのような街にいるひとに近づいて写真を撮ること(それも日常的に、彼女の撮りためたフィルム量は目まぐるしい)や、もっというなら牛腸茂雄のようなさりげないけれども障害児の真っ直ぐな瞳に思わず慄いてしまうような、そんなポートレートが多くあった時代であるが(映画でいうなら土本典昭の水俣シリーズなど)、いまではそうした言い方に語弊はあるが、赤の他人に近づくこと、もっというならば異質な他人に近づくことがタブーである時代なのではないか。これはコロナ禍でさらに加速していくだろう。異質なものを入れろと言いたいわけではないが、そうした私たちが普段目にするけれど近づいてみることができないような世界を映画は広げてくれるものだと思う。ただ一人の女と男が出会うためにそれ以外は排除するといったダイレクトな映像がいまやテレビや広告映像にとっては主流だが、スレイマンの新作はそういったダイレクトさをも皮肉としてる気がしなくもない。ダイレクトに、シンプルにしたところでやはり異質さはにじみ出てくるはずだ。それをどこまでも削ろうとするのはあまりに傲慢であり、カメラに対して失礼である。回り道した中(けれどもそれは回り道ではなく、私たちが普段本来目にしている風景)にある異質なものが含まれてしまっている映画に今年はどれだけ出会えるのか、楽しみだ。といういい感じにしれっとシメた文章があったわけでした。

これの途中に出てくる顎がやばいじいちゃんとかね。



2021/01/12

2020.12.17-2021.01.12

最後更新してから見た映画
〜2020
『マーウェン』(2018)
『私をくいとめて』(2020)』
『mellow』(2020)
『声優夫婦の甘くない生活』(2019)
『俺らのペンギン・ブーツ』(1992)
『美しき天使』(1991)
『スルー・ザ・ワイヤー』(1987)
『ロッキーVI』(1986)
『君も出世ができる』(1964)
『森の鍛冶屋』(1929)
『風花』(2000)
『佐久間ダム』(1959)
『ビルとテッドの時空旅行 音楽で世界を救え!』(2020)
『Visit』(2020)
『Delivery Health』(2019)
『頑固者』(2018)
『ハーモニー』(2015)
『七月のクリスマス』(1940)
『ハンナ・ギャズビーのナネット』(2018)
『デスパウダー』(1986)
『ハンナ・ギャズビーのダグラスに捧ぐ』(2020)
『銀魂』(2017)
『銀魂2 掟は破るためにこそある』(2018)
『劇場版 銀魂 完結編』(2013)
『ザ・ルーム』(2003)
『風景の変貌』(1964)
『Mank』(2020)

2021〜
『ミッドナイト・スカイ』(2020)
『殺人狂時代』(1967)
『ビッグ・ダディ』(1999)
『浮草』(1959)
『高校』(1968)
『エイト・クレイジー・ナイツ〜最低男のハッピー・ハヌカ〜』(2002)
『ドキュメント 路上』(1964 )
『東京都』(1962)
『水俣の子は生きている』(1965)
『ある機関助士』(1963)
『海とお月さまたち』(1980)
『回想 川本輝夫 ミナマタ 井戸を掘ったひと』(1999)
『山の焚火』(1985)
『過疎地帯』(1973)
『いつものように』(1997)
『闇動画9』(2014)
『闇動画10』(2014)
『東京オリンピック』(1965)
『栞』(2017)
『父を探して』(2013)
『病院坂の首縊りの家』(1979)
『イタリア旅行』(1953)
『ストップ・メイキング・センス』(1984)
『ディザスター・アーティスト』(2017)
『オーシャンズ11』(2001)
『真夜中からとびうつれ』(2011)
『りんごのうかの少女』(2013)
『ライフ・ゴーズ・オン 彼女たちの選択』(2016)

あけましたね、おめでとうございます。
去年見た映画は全部で660本くらいだった。その中でもやっぱり清水宏が一番大きいし、清水宏を思えばあとは何みたかが吹っ飛んでしまうくらい。
あとは映画館納めにみた『ビルとテッド〜』が良すぎて、あー映画大好き!ってなった。そんな感じで2020年は終了。社会人になって映画を見る時間はどんどんなくなって、でもコロナのおかげで4〜6月は在宅勤務多めだったから結構見れたのかなと思う。あの頃はピンク映画とヒッチコックを見まくっていた気がする。もうすでに懐かしい。
映画以外で思い返すととにかく仕事に必死だった。それ以外ほぼ記憶がない。あとは飲んで、ともだちとたまにどっか行ったりして、まあいつも通り楽しい一年でしたとサ…
今年はどうなるんだろう。まずは仕事を辞めちゃおうか否か、新しいことも1年計画で始めるし、もう少し自然にたくさん行きたーいと考えております、私はペーパードライバー(しかも今年でゴールドになった。純正のペーパー)なので、誰でもドライブ連れてってください。おねがーい。先週末にふらっとドライブで横須賀に行ったんだけど、最高だった。猿島が小さすぎて笑った。よくわかんない誰もいなくて真っ暗な山奥の神社で見た星空が綺麗すぎて、いい新年のスタートが切れた気がする。
ところでなんで日本人って富士山を見るとうれしくなるんでしょう。嫌な気持ちになるひとってそれなりの理由がないとなかなかいない気がする。その日は朝のドライブ時から海辺の夕焼けまでずっと富士山が見れてうれしかったな〜〜〜
映画に話を戻すと、『ザ・ルーム』が凄かったです。主演・脚本・監督をしている男はまじで何者だったんだろう。演技が下手の領域を超えていて涙がでます。それをジェームズ・フランコがパロった映画が『ディザスター・アーティスト』なんだけどこちらはジェームズ・フランコさんの再現能力に感動します。喋り方のキモさとか謎の訛りとか。俳優ってすごいね〜。どちらもこんな映画があるってことに感動するし、映画っていいな、万人に開かれているんだよなと改めて思い、拍手喝采の気持ちでありました。こういう映画を見つつも『イタリア旅行』のようなかなりシンプルな横移動、縦移動と反復でつくられたものを見るとそれはそれで感動する。シンプルなのにめちゃくちゃ面白い。映画ってシンプルだったんだ!と気づかされるわけでありますが、時代とともにCGとかすごいじゃないですか。どうなっちゃうんだ。ていうか『ザ・ルーム』のクロマキーの謎合成(ダサすぎる)屋上シーンは本当に笑えるのでそれだけでも見て。



あとは土本典昭の作品をいくつか見ていてとりわけ『東京都』がめちゃくちゃ面白かった。YouTubeにあります。東京へきちゃう田舎者へのナチュラルなディスりとどんどんビルが立っていく様は見ていて純粋に楽しい。見ていて純粋に楽しいと言えば『佐久間ダム』もそうだった。バンバン爆発するし、なんか猿島行った時思ったんだけど島があるのってすごいよなって、というか日本も島なんだけど。あと人間が道を舗装しだすのも何やってんだすげーなって感じだし、話を戻せば島を取り合うのも超ウケる。完全に他人事だけど。そういう、自分の普段生活している中では想像つかない大きさの事象ってなんだかドキドキする。そういうわけで『佐久間ダム』は素晴らしかったです。NAも良かった。
という走り書きでおしまい!
今年も楽しく!たくさん映画を見る!

2021/01/04

2020年12月に観た映画と年間ベスト。


あけましておめでとうございます。昨年12月に観た映画です。13作品です。

『黄色いからす』★
『ろくでなし』(吉田喜重)★
『馬鹿が戦車でやって来る』★★
『キング・オブ・マーヴィン・ガーデン -儚き夢の果て-』★★★
『れいこいるか』(下北沢トリウッド)★
『ピノキオ√964』
『デスパウダー』
『狼と豚と人間』★★
『太陽の墓場』★
『行き止まりの世界に生まれて』(下高井戸シネマ)★
『HEAVEN-6-BOX』★
『田舎刑事 まぼろしの特攻隊』(シネマヴェーラ渋谷)★★
『地獄の天使 赤い爆音』★★

五所平之助『黄色いからす』はとてもいい子供映画でした。子役は小津安二郎『お早よう』のお兄ちゃん役だった設楽幸嗣くん。ホント達者。今回オナラはしてなかった。『キング・オブ・マーヴィン・ガーデン』は、生涯ベスト級に好きな『ファイブ・イージー・ピーセス』に次ぐボブ・ラフェルソンとジャック・ニコルソンのタッグ作。期待以上に素晴らしかった。このラストショットね、震える。


 映画館では『れいこいるか』、『行き止まりの世界に生まれて』、『田舎刑事 まぼろしの特攻隊』の3作を観ました。『田舎刑事 まぼろしの特攻隊』は、森崎東監督のTVドラマで、戦時中マジで特攻隊員だった西村晃の演技に泣く。服を脱ぎ捨てて海に消えていく姿が、ハル・アシュビー『帰郷』でのブルース・ダーンと重なります。『帰郷』は一作品としてはたいして好きでもないのですが(やっぱジョン・ヴォイト好きじゃないし)、PTSDのベトナム帰還兵を演じたブルース・ダーンはとにかく素晴らしい名演をしていて、ダーンが軍服脱いでケツ丸出しで海に飛び込んでいく姿は、バックに流れるTim Buckleyの"Once I Was"と共に忘れられません。『帰郷』が1978年公開、『田舎刑事 まぼろしの特攻隊』が1979年放送なので、多少は参考にしたのではないかと僕は睨んでいます。

で、ツイッターで発表しましたが、2020年の年間ベストです。どこで観ようがいつの作品だろうが全く関係のない年間ベストです。昨年緊急事態宣言が出て以降は、引越しをしたこともあり、全然映画館行かなかったですね。ほとんど家で観ました。その結果、尺の短いロマンポルノやピンク映画をやたら観てました。佐藤寿保しか観てない時期もありました。良くないこととは思いますが、インターネットにはタダで観られる映画が無数に落っこっているんだと気が付きました。あとU-NEXTとアマプラ、すっごい便利!というわけで、例年になく様々なタイプの映画を観ることができました。このブログを元に数えたら、一応517作品観たらしいです。一昨年とかは家で映画観ることなんてほとんどなくて、劇場で年間500本くらい観ていたんですが、ちょっとおかしかったんだと思います。517作品中、日本映画20・ロマンポルノ15・外国映画15とカテゴリ別にしたら、計50作品にキリよく絞れました。区分って便利だな~。鑑賞順です。

・日本映画
『如何なる星の下に』豊田四郎・1962年
『その後の蜂の巣の子供たち』清水宏・1951年
『からたち日記』五所平之助・1959年
『沙羅の門』久松静児・1964年
『OLの愛汁 ラブジュース』田尻裕司・1999年
『千羽鶴』吉村公三郎・1953年
『団地妻 隣のあえぎ』サトウトシキ・2001年
『ポルノの女王 にっぽんSEX旅行』中島貞夫・1973年
『火まつり』柳町光男・1985年
『“BLOW THE NIGHT!” 夜をぶっとばせ』曽根中生・1983年
『痴漢電車 いやらしい行為』幡寿一(佐藤寿保の変名です)・1993年
『番格ロック』内藤誠・1973年
『大いなる幻影』黒沢清・1999年
『杏っ子』成瀬巳喜男・1958年
『エクスタシーの涙 恥淫』大木裕之・1996年
『渚のシンドバッド』橋口亮輔・1995年
『女生きてます 盛り場渡り鳥』森崎東・1972年
『家族』山田洋次・1970年
『逆さ吊し縛り縄』片岡修二・1985年
『狼と豚と人間』深作欣二・1964年
・ロマンポルノ
『密猟妻 奥のうずき』菅野隆・1981年
『ロリータバイブ責め』佐藤寿保・1987年
『少女暴行事件 赤い靴』上垣保朗・1983年
『レイプ25時 暴姦』長谷部安春・1977年
『美少女プロレス 失神10秒前』那須博之・1984年
『女教師 汚れた放課後』根岸吉太郎・1981年 (ツイッターで"濡れた放課後"になってましたが間違いでした)
『闇に浮かぶ白い肌』西村昭五郎・1972年
『熟れすぎた乳房 人妻』曽根中生・1973年
『魔性の香り』池田敏春・1985年
『愛欲の罠』大和屋竺・1973年
『双子座の女』山城新伍・1984年
『制服肉奴隷』すずきじゅんいち・1985年
『母娘監禁 牝』斉藤水丸(斉藤信幸)・1987年
『初夜の海』中原俊・1984年
『泣く女』西村昭五郎・1980年
・外国映画
『デスペレート・リビング』ジョン・ウォーターズ・1977年
『夜への前ぶれ』スタン・ブラッケージ・1958年
『生き残るヤツ』アイヴァン・パッサー・1971年
『ブリュッセル、60年代後半の少女のポートレート』シャンタル・アケルマン・1994年
『死霊伝説 完全版』トビー・フーパー・1979年
『プライベート・パーツ』ポール・バーテル・1972年
『アウト・オブ・ブルー』デニス・ホッパー・1980年
『希望の街』ジョン・セイルズ・1991年
『ジェネシスとレディ・ジェイのバラード』マリー・ロジエ・2011年
『フール・フォア・ラブ』ロバート・アルトマン・1985年
『男の出発』ディック・リチャーズ・1972年
『インテリア』ウディ・アレン・1978年
『スター80』ボブ・フォッシー・1983年
『真夜中の刑事 PYTHON357』アラン・コルノー・1976年
『キング・オブ・マーヴィン・ガーデン』ボブ・ラフェルソン・1972年

どうすか。2000年以降の映画が2本しかないことに僕は引きました。ちなみに今年の映画初めは、Kisssh-Kisssssshオンライン映画祭で山中瑶子監督の『あみこ』を観ました。自主映画9作品が1000円で30日間見放題とのことです。『眠る虫』が素晴らしかった金子由里奈監督の『散歩する植物』もだいぶ良かったです。人間辞めて植物になる話なのですが、観終えてドラえもんの秘密道具・石ころ帽子を思い出しました。「道端の石ころのように誰からも気にされない存在になりたい…」そんな後ろ向きな夢も叶えてくれるF先生です。透明マントとか透明人間になれる目薬とかさ、普通に姿が見えなくなる系の道具もあるのにさ、"道端の石ころみたいになれる"ですよ。"透明ぼうし"でいいじゃん。あとさ、それで思い出したけど「見えなくなる目薬」ってあるじゃないですか。その目薬を差すと他人の姿が透明化して一切見えなくなるっていう、ネーミングを逆手にとった秘密道具なんですが、ちょっと欲しくない?他人、ときとして目障りじゃない?似たような効果のものとしては、飲むとしばらくのあいだ誰とも顔を合わさなくなる「無人境ドリンク」もあって、結局オチとしては「一人になりたいって言うけど実際孤独ってつらいんだぜ」という『どくさいスイッチ』的な教訓話になっちゃいますが、道具の発想としてはFの社会不適合な一面が滲んでいて好きですね。で、AはAでご存じのようにちょっとどうかしてるじゃないですか。マジこの二人の出会い、運命。『まんが道』読んでない人は今年中に読むように。それでは今年もよろしくお願いします。